愛知県警は10日、中国を拠点にした特殊詐欺に関与したとして、詐欺未遂の疑いで男女3人を逮捕し、発表した。県警は3人の認否を明らかにしていない。 逮捕されたのは、アルバイト青木真樹(37)=愛知県稲沢市祖父江町祖父江高熊=、中国籍の無職呂明峰(35)=岐阜市菅生6丁目=、会社員坂口篤子(63)=岐阜市柳津町丸野5丁目=の3容疑者。 県警によると、3人は仲間と共謀して、8月25日、中国から埼玉県川越市の会社員男性(39)に対して、SNSアプリの通話機能などで「口座が犯罪に使われ、詐欺グループに加担している疑いがあり、資金調査が必要」などとうそを言って、現金をだまし取ろうとした疑いがある。男性が警察に相談したため未遂に終わったという。 青木容疑者が、坂口容疑者に仕事に関する相談をしたところ、坂口容疑者から「座って電話をするだけで月に50~60万円稼げる。警察には捕まらないから大丈夫」などと勧誘され、呂容疑者を紹介されたという。県警は坂口容疑者がかけ子のリクルーター役、呂容疑者はリクルーター役と現地の案内役を兼ねていたとみている。 現地では、高層マンションの一室や一軒家に、世話役の中国人やかけ子の日本人が複数で寝泊まりし、詐欺の電話をかける「かけ場」まで中国人が運転する車で通っていた。おおむね現地時間で午前9時から午後5時の間、日本に詐欺電話をかけていたという。県警は複数の日本人がかけ子として関与していてたとみて捜査している。(石垣明真)