特殊詐欺の「被害者」逮捕 途中から加害者側に加担、マネロンの疑い

詐欺で得た収益だと認識しながらマネーロンダリング(資金洗浄)に関わったとして、福岡県警は14日、愛知県一宮市の男性会社員(34)を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受)容疑で逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 この会社員はもともと特殊詐欺の被害者だったが、指示役の命令に従ううちにマネロンに加担するようになった疑いがあると県警はみている。 口座には計数千万円が振り込まれた形跡があり、別の口座に移したり、引き出して電子マネーに交換したりした疑いもあるという。 田川署によると、逮捕容疑は1月、詐欺の被害金である30万円が犯罪収益であることを知りながら、自身の口座に収受した、というもの。 会社員は昨年12月、「サイバーセキュリティーセンター」の職員を名乗る人物から「あなたのスマートフォンがウイルスに感染し、情報が流出し、多くの人が被害を受けている」、「救済の補償を受けるには30万円が必要」などと言われた。 追加の要求も含めて計約200万円を振り込むなどし、だまし取られたという。 さらに指示に従って、自身の口座に送金を受けたり、新たに複数の口座を開設したりした。 男性は指示されたことを実行する中で、詐欺に関わっていると気がついたが、「従っていれば200万円を返してくれるかもしれない」と考え、応じ続けた、と署に説明しているという。 結局、会社員自身は被害金を取り戻せてはいないという。 別の詐欺事件の被害者が署に相談。振込先口座の捜査から会社員の関与が浮上した。(小勝周)

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