元外務審議官「発言を撤回すべき」 高市首相の『台湾有事』巡る国会答弁の事態収束へ提言「不買運動が起こったり、もっと状況は厳しくなる」

元外務審議官で小泉純一郎政権で日朝交渉を担当した田中均さんが18日、自身のYouTubeチャンネルを更新。高市早苗首相の「台湾有事」を巡る国会答弁に端を発した日中関係の悪化について解説した。 高市首相が7日の衆院予算委員会で、台湾有事が日本の集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になる可能性があると答弁したことに中国側が猛反発。両国が相手の大使を呼び出して抗議するなど、非難の応酬となり、中国外務省が日本への渡航を当面控えるよう中国民に呼び掛ける事態にも発展している。 田中氏は「事態はどんどん悪くなっていくと思う。これから不買運動が起こったり、もっと状況は厳しくなる」と予測。過去にも関係悪化の局面はあったが、「台湾問題は全然違う。核心的利益の核心。時がたつにつれて、中国側の措置は相当強硬になっていくと思う」と語り、「一番懸念するのは中国に在留する邦人が逮捕されたり、危害が及ぶこと」と指摘した。 その上で今後の対応について「高市首相は国会の場で発言を撤回すべき」と提言。「撤回という言葉がいけないことのように聞こえるかもしれないが、台湾有事が存立危機事態の対象にならないというわけじゃない」と「撤回=妥協ではない」と力説し、「これまでの方針に沿うようにステートメントを撤回してくださいということ。安全保障の概念は地理的概念じゃない。どこどこは当てはまって、どこどこは当てはまらないということは論理矛盾」と説明。「質問に答えて、台湾を1つの案件として出したことは間違いでした、政府の方針は個別具体的な話はそのときに総合的に勘案するということで、地名を挙げたことは不用意でした、ここに謝罪して撤回します、と言ってくれればいい。日本の立場を変えたことにはならないし、妥協したことにもならない。日本として安全保障の観点からやるべきこと」と述べた。 さらに「禍転じて福としてもらいたい」とも。「国際関係は1つの関係だけで動くものではない。日本が突出して中国との関係を悪くなることで日本が被る不利益はものすごく大きい。マネジメントしないといけない。中国との関係を作っていくのは国民に対する責務。あらゆる階層の交流を再開してほしい」と話し、「時は待ってくれない。一両日中に日本国総理大臣に行動してほしい」と要望した。

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