特殊詐欺・SNS型ロマンス詐欺 情報提供で1.7億円防止か 道警

【北海道】金融機関からの情報提供が、特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺被害の防止につながっている。4月から10月末までに道警に39件の情報提供があり、約1億7千万円の送金を防いだ可能性があるという。道警と金融機関が20日に連絡会議を開き、明らかにした。 道警と道内に本店を置く194の金融機関は4月から順次、情報連携協定を結んできた。犯罪が疑われる取引を確認した場合、口座情報などを速やかに共有し、被害防止、犯人検挙に役立てる。 明らかに被害に遭っていると判断される場合は、本人同意なしで口座の名義人情報や利用状況などを、必要な範囲で提供することもある。 滝川署管内では6月、金融機関から「顧客の口座から複数回、高額の出金がある」との情報提供があった。顧客に「だまされた振り」をしてもらい、容疑者を逮捕した。 札幌北署管内では今月、「顧客の口座から、短期間に複数の振り込みがある」との情報提供があった。捜査員が調べると、すでに800万円の被害があったが、口座の残金1300万円は守られた。 道警のまとめでは、10月末までの特殊詐欺被害は351件(17億9千万円)。昨年同時期より207件、12億2400万円多い。統計開始後、最も多かった2014年の被害額(12億5400万円)をすでに超えているという。 SNS型投資・ロマンス詐欺は133件(15億6300万円)。昨年同時期より1件、2億800万円減っているが、手口は多様化している。 特殊詐欺被害の約4割、SNS型ロマンス詐欺の約6割で、送金にATMやインターネットバンキングが利用された。 被害を未然に防ぐには、不審な出入金など、金融機関からの情報提供がカギを握るという。(長谷川潤)

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