ブラジル前大統領を拘束、逃亡の恐れ 近日中に刑期開始の予定

(CNN) ブラジルのジャイル・ボルソナーロ前大統領が22日、自宅軟禁からの逃走を試みた疑いがあるとして拘束された。当局が明らかにした。 ボルソナーロ氏は数日後にクーデター未遂を主導した罪などで服役を開始する予定だった。ボルソナーロ氏の訴追については、米国のトランプ政権が強く批判している。 米国のランドー国務副長官は22日、X(旧ツイッター)への投稿で、米国はボルソナーロ氏の拘束について「深刻な懸念」を抱いていると述べ、「挑発的で不必要だ」と述べた。 ブラジル連邦警察は声明で、警察の要請に基づき連邦最高裁が認めた予防的な逮捕状を執行したと発表した。CNN提携局CNNブラジルが伝えた。 情報筋がCNNブラジルに語ったところによると、長男のフラビオ・ボルソナーロ上院議員が前大統領の住む集合住宅前で呼びかけた集会が逮捕状の請求につながった。 ボルソナーロ氏の弁護団は拘束を不服として控訴すると表明し、ボルソナーロ氏が逃走を図ったという主張を否定した。 連邦最高裁は22日、集会に向けた支持者の招集に関する情報を受け取ったとし、それが逃走を試みる可能性を示唆していたと発表した。また、未明に電子監視装置への違反があったとしている。 最高裁によれば、今回の情報について、デモによる混乱に乗じて逃走するため、足首に装着した監視装置を破壊しようとしていたことを裏付けていると説明した。 フラビオ氏は当初、22日夜に予定されていた集会について、最近の体調不良の報道を受けてボルソナーロ氏のために祈り、ブラジルの民主主義が回復するよう祈る機会だと説明していた。 最高裁は、ボルソナーロ氏がはんだごてで監視装置を損傷させたことを認める様子だとする映像を公開した。 映像とともに公開された命令書によれば、判事は、監視装置の損傷について24時間以内に説明するよう弁護団に命じた。 映像では、当局の職員が装置の外装を調べており、ボルソナーロ氏は何を使って装置を焼いたのかと質問を受けた。 ボルソナーロ氏は「好奇心から」はんだごてを使っただけで、足に固定された監視装置を外したり損傷させたりする意図はなかったと説明した。 ボルソナーロ氏は、2022年の大統領選で敗れた後も権力にとどまろうとしたとして禁錮27年の判決を受け、自宅軟禁下に置かれている。 トランプ米大統領は22日、記者団から、ボルソナーロ氏の拘束について耳にしたのかと質問を受け、聞いていないとしながらも「残念だ」と語った。

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