香港を襲った高層住宅火災…背景に伝統工法? 美しき「竹の足場」の危険な真実

死者128人、行方不明者およそ200人──香港北部・新界地区大埔(タイポ)の高層住宅群で発生した火災は、11月28日の時点でこれだけの被害をもたらしている。 正確な原因は分かっていない。だが、これまでに建物の改修工事を請け負った企業の幹部3人が過失致死の疑いで逮捕されたほか、この企業と建築コンサルティング会社の幹部ら8人が汚職の疑いで逮捕された。 高層住宅群は31階建てで、1983年に完成した。火災発生時は改修工事のため、竹製の足場と緑色の防護ネットで覆われていた。この足場が、急速に火災が広がった要因の1つとみられる。 竹製足場は古くから、香港の風景の一部だった。だが今回の悲劇によって、その安全性と使用条件が、改めて問い直されている。 竹は成長が速く、茎の中は空洞で、軽く丈夫であることが特徴だ。階段で持ち運べるほど軽いが、適切に補強して結束すれば、作業台や作業員を支えられるだけの強度がある。 香港では、竹製足場の設計や施工について明確なガイドラインが定められている。適切に設計された竹製足場は、風にも作業時の負荷にも耐えられる。

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