山尾氏36回、ルビオ氏29回、中谷氏5回…香港・黎氏有罪判決で登場「外国勢力と結託」

「人権外交を超党派で考える議員連盟」は19日の総会で、香港国家安全維持法(国安法)違反罪に問われた民主活動家の黎智英(れい・ちえい=ジミー・ライ)氏(78)に下された有罪判決への対応を協議した。判決理由では議連共同会長に再任した中谷元前防衛相、顧問の山尾志桜里元衆院議員らが「外国勢力との結託」の文脈で名指しされている。議連は、有罪判決について「各国議会が人権侵害に声を上げる行為を萎縮させる極めて危険な前例となる」と強い懸念を示す声明案を近くまとめる方針だ。 ■量刑は来年1月 香港紙・蘋果日報(リンゴ日報=廃刊)の創業者、黎氏の逮捕・起訴は、香港民主化運動と言論への弾圧を象徴する事件として注目を集めている。 香港の高等法院(高裁)は15日、黎氏が同紙での評論や米政治家との面談を通じ、中国、香港への制裁を外国に呼びかけたなどとして、有罪判決を下した。量刑は来年1月に審理される。 判決理由には、黎氏が結託した「外国勢力」として日米英などの議員らの名前が挙げられているという。 民主主義圏の国会議員で構成する「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」の調べでは、最多は山尾氏の36回で、2番目がルビオ米国務長官の29回。英保守党のダンカンスミス元党首が9回。中谷氏は5回言及されていた。 ■舟山氏「議会活動への挑戦」 山尾氏や中谷氏が黎氏と面会した事実はなく、そもそも黎氏も日本に対する直接のロビー活動を行った形跡はない。 山尾氏は同議連を令和3年に設立。その前後で香港の民主活動家らから現地の状況説明は受けており、総会で「議員として通常の立法活動となる議員間の連携や事実を聞き取るヒアリングが国安法の犯罪の文脈で使われている。悪い意味で画期的な判例だ」と指摘。中谷氏も「看過できず、憤りを感じる」と語った。 議連共同会長を務める国民民主党の舟山康江参院議員は、判決について「政府としての行動はもちろん、議会活動への挑戦であり、本来は議会として何か決議し得る問題だ」と強調した。 議連は、日本政府に対し、黎氏に対する有罪判決を非難するとともに、香港当局や中国政府に裁判過程に関する抗議と説明要求、黎氏の即時釈放を求める声明を早期にまとめる。(奥原慎平)

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