<スクープのたまご最終号>「週刊千石」、連続不審死事件の容疑者・相馬理“久保塚”の独占インタビューに成功 事件の真相が明らかに

12月23日放送のドラマストリーム「スクープのたまご」(毎週火曜深夜0:58-1:28、※12月23日は深夜1:29-1:59、TBSほか/TVerにて配信あり)の最終号(本作では、「話」ではなく、週刊誌にちなんで「号」と表記)で、「週刊千石」は、連続不審死事件の容疑者・久保塚(相馬理)の独占インタビューに成功。事件の真相と真犯人が明らかになった(以下、ネタバレがあります)。 ■スクープと向き合い、記者として成長していく姿を描く 本作は、大崎梢氏原作の同名小説をドラマ化。週刊誌編集部の事件班に異動となった入社2年目の信田日向子(奥山葵)が、さまざまなスクープと向き合う中で、“週刊誌の存在意義”を見つけ、記者として成長していく物語。有名週刊誌への綿密な取材によるリアリティー満載の描写で、記事が世に出るまでの裏側ものぞけるようになっている。 ■久保塚、編集部に到着 久保塚がインタビューを受けるために「週刊千石」の編集部にやってきた。車を降りてきた彼は、不安そうなまなざしの青年で、彼の元保護士の渡辺も言っていた通り、人を殺せるような人物ではない印象だった。 彼がインタビューを受けようと決めたのは、渡辺から「週刊誌の記者っぽくない女性が居て、その人は目がキレイだったから、信用していい」と言われたからだった。日向子のことだ。あいにく彼女は、久保塚と一緒に居た家出少女・橋本まどか(崎本紗衣)を探しに行っていた。 日向子の不在に戸惑う久保塚に、デスクの北浜(赤ペン瀧川)は、「今は“目のキタナい”オジサンしか居ないが、心は純粋で、キミの力になりたい」と心配を和らげるように伝え、久保塚は目を閉じて大きく息を吸った後、意を決して、社内に入っていった。 ■久保塚と女子高生・まどかの関係 久保塚は、まどかについては記事にしないことを前提に、彼女との関係について語った。彼がまどかに初めて会ったのは、久保塚の故郷・新潟の先輩である青年実業家の青城征也(古屋呂敏)のマンションだった。まどかは、通っていたモデル養成セミナーで知り合った、1人目の被害者・小宮山春江の紹介で、有名人の青城に会ってみたい、と1人でやってきたとのこと。彼女に興味を持った久保塚は、まどかと連絡先を交換した。 ■久保塚の告白 続けて、久保塚は事件について「小宮山とは一度も会ったことがない」と言った。小宮山の死体が発見される前日、彼は青城と赤坂の“洞窟バー”で会う約束をしていたが、青城から「行けなくなった」と連絡が。1人で店に居たところ、“きれいな女の人”に声をかけられて一緒に飲むうちに突然睡魔に襲われたのだという。この“きれいな女の人”は、女装した“サングラス男”こと今村淳弘(小西詠斗)だった。 久保塚は、気付くと公園の男子トイレだった。その頃、同じ公園の女子トイレで小宮山が殺されていたことを彼は全く知らなかった。「だからオレ、殺してないんすよ!」と必死で訴える久保塚に、北浜は「渡辺もそう言っていたし、つかんでいるいろいろな情報から考えて、君の容疑を晴らせるのではと思っている」と伝え、久保塚は希望が見えた気がした。 久保塚は、2人目の被害者・木崎侑子についても話し始めた。小宮山の事件の少し後、彼は青城から「最近、つきまとってくる女が居て、デートのたびに金をせびられている」と相談をされ、自分が海外出張に行っている間にその女性と食事に行ってほしいと頼まれた。その女性が木崎だ。 小遣いを渡された久保塚は断り切れず、木崎と会うことに。彼女と店に居ると、見知らぬ“サングラス男”が絡んできて酒をかけられたんだそう。そして、木崎が「服を洗濯するから」と自宅に誘い、彼は断ろうとしたが、突然襲ってきた睡魔に勝てず、彼女の家に行ってしまい、気付くとベッドの上。隣で木崎が死んでいた、とのことだった。 慌てた久保塚は、すぐに青城に電話。自分が殺したんじゃないと必死で訴える久保塚に、青城は「それは分かっているが、おまえには前科がある。警察から逃げた方がいい」と言い、以来、久保塚は隠れておびえながら過ごす毎日となった。 しばらくすると、青城から「静岡に居る“谷岡真紀子”という女性に手紙を渡してほしい」と連絡が来て、久保塚は何も分からないまま渡しに行った数日後、谷岡が殺された。その現場に残っていた足跡が木崎が殺された現場の物と一致した、との報道を見て、久保塚はイヤな予感がしたが、その予感は当たってしまい、気付けば彼は指名手配犯になっていたそうだ。 ■久保塚を唯一信じて励ました人物 「犯人じゃない!」と動揺する彼を、唯一信じてくれたのが、まどかだった。「絶対疑いは晴れるから、大丈夫」と励まし、「えん罪なら、晴らさなきゃ!」と言ってくれた彼女に、甘えてはいけないと思いつつも、頼ってしまった。 事件に巻き込んでしまったことを久保塚は悔やみ、心配をかけた彼女の両親に詫びたい、と北浜たちに語った。それは、口先だけではなく、本心からだと感じられる言葉だった。 まどかは、母親とモデルセミナーの件で大ゲンカして家出。だが、久保塚と共に居ることは母に電話で伝え、警察には言わないでほしい、と頼んでいたのだった。 彼女は、自分の夢を認めてくれない母に反発し、家に帰る気は無かったが、彼女の立ち寄り先で待ち伏せていた日向子に、母が「もっとちゃんと向き合って話を聞くべきだった…」と激しく悔やんでいると聞かされ、家に戻り、母と和解した。 ■事件の真相 告白を終えた久保塚は「もう逃げたりせず、潔白をしっかり訴えたい」と告げ、「週刊千石」は、彼の顔写真入りの独占告白記事を掲載。発売後、大反響を呼ぶと共に、青城と今村が容疑者として逮捕された。 事件の発端は、青城と木崎の関係がこじれたことだった。青城は木崎から融資を受けて事業を拡大していたが、融資が必要なくなった途端、別れを切りだした。彼にとって木崎は“都合のいい女”でしかなかったのだ。だが、彼女は別れを受け入れられず、結婚を迫り、青城は木崎が邪魔になっていったのだった。 そんな時、青城はパーティーで出会った今村が、叔母(=小宮山)から回してもらっていた仕事を止められて会社の経営が危なくなり、叔母を逆恨みしているとを知る。青城は、彼に“交換殺人”を提案し、アリバイが確保できるとあって、今村はその提案に乗った。こうして、小宮山、木崎の殺人が行われた。 3人目の被害者・谷岡は、今村、小宮山と顔見知りで、小宮山を殺したのは甥の今村ではないかと疑っていた。そんな矢先、趣味の写真撮影中に、偶然、今村と青城の密会現場に遭遇。それをネタに谷岡からゆすられた青城は、今村に命じて彼女を事故に見せかけて殺したのだった。 久保塚は、彼の告白通り、事件には一切関与しておらず、目くらましに使われただけだったのだ。 ■日向子が見つけた“週刊誌の存在意義” ついに、“連続不審死事件”は解決した。週刊誌は警察ではないが、真実を世間に伝え、解決の助けになることもある。世間では「〇〇砲」と呼ばれ、誰かの人生を大きく変えてしまい、忌み嫌われることも多いが、日向子が取材を続ける中で気付いたように「週刊誌にもできることはある」のだ。 「週刊千石」に異動した当初は、日向子も週刊誌に対して否定的で、“週刊誌の存在意義”について思い悩んでいたが、いくつもの経験を通して、彼女なりの答えが少し分かってきた。最初はイヤイヤやっていた仕事だったが、今は記者を続けようと決心。彼女の母も娘の決心を尊重し、応援することにした。 「人に嫌われることはしちゃダメだからね」と言う母に、彼女は「それは難しいかもしれないけど…」と正直に答えた。自分にそのつもりが無くても、取材相手に嫌われ、暴言を吐かれることは避けられないからだ。しかし、「自分にウソつくことだけは、しないようにするから」と、自分にも言い聞かせるように母に告げた。 今回の久保塚の独占インタビューは、「週刊誌の記者らしくない」日向子のおかげで実現したと言っても過言ではない。今はまだ“記者のたまご”だが、確実に大きな戦力となっている。これからも「らしくなさ」と「キレイな目」を保ち続けて、取材対象に寄り添える良い記者に育っていけたら…と願うばかりだ。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部

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