ミャンマーで総選挙始まる、民主派を排除 国内では戦闘続く

ヤンゴン(CNN) ミャンマーで28日、物議を醸す総選挙が始まった。ミャンマーでは2021年に国軍がクーデターを起こして全権を掌握した。軍事政権は今回の選挙を通じて民主的な統治を回復すると主張しているが、同国では激しい内戦が続いている。 国民的人気を誇る民主化指導者アウンサンスーチー氏(80)は拘束され、スーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)は解散に追い込まれた。選挙は軍に近いとみられる政党が優勢で、選挙の妨害や混乱、批判を犯罪とする新法により、数百人が逮捕された。 国軍が国境に近い山岳地帯や中部などで少数民族武装勢力や民主派の戦闘員との戦闘を続けているため、一部地域では投票が実施されない。 1年前、これらの勢力は軍に一連の打撃を与えた。反対派は軍事政権が打倒され、数十年にわたって国の政治と経済を支配してきた軍の支配が終わることを夢見ていた。 だが今年に入り、新たな徴兵制で動員された数万人の兵士や、中国製の新型兵器の支援を受けた国軍が領土を奪還している。 専門家によれば、こうした戦況が、軍事政権に選挙実施の余地を与えたという。議会の4分の1の議席は軍に割り当てられる見通し。軍事政権は新議会の発足によって、クーデター後に距離を置いてきた国際社会の一部がミャンマーとの関係を再構築することを期待している。 最大都市ヤンゴンでは、幹線道路沿いに国旗が並び、電子掲示板では国営メディアによる選挙報道が流された。選挙は来年1月にかけて3段階で実施される。 軍事政権の指導部は、有権者に対し明確なメッセージを送っている。クーデターを主導した国軍トップのミンアウンフライン最高司令官は、「国軍と誠実に協力できる」候補者を選ぶよう有権者に呼びかけた。国営メディアが伝えた。

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