トランプ米大統領が、マドゥロ大統領不在のベネズエラ「運営」で協力する人物として挙げたのは、副大統領から暫定大統領となったデルシー・ロドリゲス氏(56)だった。マドゥロ氏が「虎」とも評したロドリゲス氏は、どんな人物なのか。 英BBCや仏テレビ局「フランス24」などによると、ロドリゲス氏は首都カラカスで、社会主義政党指導者の父のもとに生まれた。兄は国会議長のホルヘ・ロドリゲス氏。ゲリラメンバーとして活動した父は、米国人実業家の誘拐に関与した疑いで逮捕され、獄中で拷問されて死亡した。 父の死から正義を追求したいとの思いが募り、ベネズエラ中央大学で法律を学び、パリやロンドンの大学でも学んだ。弁護士資格も持つ。 ■米国にとって好都合な存在 チャベス前大統領時代から政権の中核を担い、マドゥロ政権下では、石油相と副大統領を兼務した。社会主義を断固として擁護するロドリゲス氏をマドゥロ氏は「虎」と呼んだという。 米紙ニューヨーク・タイムズやスペイン紙エルパイスによると、トランプ氏がロドリゲス氏を挙げたのは、石油産業の事情を理解し、米国の制裁中も着実に石油生産量を増やした実績があり、最も好都合な存在だったからだという。 マドゥロ大統領が不在となり、ベネズエラ最高裁が3日、ロドリゲス氏を暫定大統領とするよう命じた。 ■食い違う説明 トランプ氏は3日の会見で、ルビオ米国務長官と直接協議したロドリゲス氏が、「米国が必要だと考えることを実行する意思がある」と話したと説明。だが、ベネズエラ国営テレビの演説でロドリゲス氏は、「ベネズエラは誰の植民地にもならない」と話し、米国の行動を「野蛮な行為」と批判。両者の主張は食い違う。 トランプ氏は4日、「彼女(ロドリゲス氏)が正しいことをしなければ、マドゥロ氏よりも大変な目にあうだろう」と、米アトランティック誌のインタビューで話した。 ロドリゲス氏は、知的で物腰が柔らかい性格という評価と、攻撃的で意志の強い人物だという相反する評価がある。トランプ政権の圧力に対し、どう出るかが今後のベネズエラ情勢の鍵となりそうだ。(サンパウロ=河崎優子)