トランプ米大統領、「反乱法」発動を警告 ミネソタ州での反ICEデモ鎮圧のためと

アメリカのドナルド・トランプ大統領は15日、ミネソタ州ミネアポリスでの連邦当局による移民取り締まりをめぐる情勢不安を鎮めるため、ほとんど使われることのない「反乱法」の発動も辞さないと警告した。 ミネアポリスでは7日、移民税関捜査局(ICE)の職員がルネー・ニコール・グッドさん(37)に向けて発砲し、死亡させた。全国的な抗議行動が起こり、ミネアポリスで緊張が高まるなか、14日にも同市で、ICE職員が男性の脚を撃つ事件が発生。夜間、抗議行動や破壊行為が続き、トランプ大統領が軍の投入を示唆する状況となっている。 トランプ大統領は15日、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、ミネソタ州当局が「プロの扇動者と暴動主義者」を制止できないのなら、反乱法を使うと投稿した。 反乱法は1807年に制定された法律で、アメリカ国内の法執行任務に現職軍人の動員を認めるもの。 トランプ大統領はこれまでも、この法律を別の場所で発動する可能性を示してきたが、実際に発動したことはない。 国土安全保障省(DHS)は、男性が銃撃された事件について、シャベルとほうきの柄を持ったヴェネズエラ国籍の3人がICE職員を襲ったため、職員が発砲したと説明している。 グッドさんに対する発砲をめぐっては、トランプ政権はICE職員による正当防衛だったと主張。一方、地元当局は、グッドさんが危険を感じさせることはなかったとしている。 こうしたなか、ミネソタ州の検察がICEに対する一時的な差し止め命令を連邦裁判所に求めていたが、連邦地裁は14日、これを退けた。その後、トランプ大統領は、同州での「メトロ・サージ作戦」を継続すると表明した。 ■連邦職員による新たな発砲事件 DHSによると、14日の男性銃撃事件は、ICE職員がヴェネズエラ国籍のフリオ・セザール・ソサ=セリスさんの車両を追跡した後に発生した。ソサ=セリスさんは過去に、無免許運転で有罪とされたことがあるという。 追いつかれたソサ=セリスさんは、車から降り、職員と争いになった。ほどなくして、近くのアパートから出てきたヴェネズエラ出身の不法移民2人が加わり、職員は3人によって、雪かきシャベルとほうきの柄で襲われたという。 職員が発砲すると、銃弾はソサ=セリスさんの足に命中したという。 職員とソサ=セリスさんは病院に運ばれた。ソサ=セリスさんは命に別状ないとされる。 ヴェネズエラ国籍の3人は全員逮捕された。 DHSのクリスティ・ノーム長官は、「昨夜ミネアポリスで起きたのは、連邦法執行官に対する殺人未遂だ」と主張。職員は「不意を打たれて襲われた」ことから、身を守るために発砲したのだと話した。 ■抗議者と警官らが衝突 この事件の現場に近いミネアポリス・ホーソン地区では14日夜、抗議者と法執行官らの衝突が起きた。 市警のブライアン・オハラ本部長は、警官たちが花火や氷、雪玉で襲われたと説明した。 連邦捜査局(FBI)によると、この騒乱で連邦政府の車両数台が損壊され、車内から物が盗まれたという。 FBIは15日、「盗まれた政府所有物の回収や、政府所有物の破壊や窃盗に関与した個人の逮捕」につながる情報に対して最高10万ドルの報奨金を提供すると発表した。 ミネソタ州にはここ数週間、約3000人の連邦職員が派遣されている。 ミネアポリスのジェイコブ・フレイ市長は14日、「この事件に至った経緯がどうあれ、私たちがこの街で目にしている状況はこのまま続いていいものではない」と、ソーシャルメディア「X」に投稿した。 ミネソタ州のティム・ウォルズ知事は15日、Xへの投稿で、大統領へ向けて「冷静になろう」と訴えた。ICEを「現代のゲシュタポ」と呼んできたウォルズ知事は同人い、州民に対しても、「混乱の炎をあおってはいけない」と呼びかけた。 ウォルズ知事は、2024年大統領選に、民主党のカマラ・ハリス候補の副大統候補として臨んだ。今月、知事再選を断念すると発表した。 (英語記事 Trump threatens to invoke Insurrection Act to quell anti-ICE protests in Minnesota)

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