「今回の判決も逮捕、捜査の違法性を認めていただきました」大川原化工機えん罪事件で東京高裁が賠償命じる 東京都と国に1億6600万円

横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」をめぐるえん罪事件についてです。会社の社長らが東京都と国に賠償を求めた裁判の控訴審で、きょう東京高裁は改めて捜査の違法性を認め、賠償を命じる判決を言い渡しました。 東京高裁を訪れた「大川原化工機」の社長たち。警視庁公安部に逮捕されましたが、その後、無実が明らかになっています。 きょう、捜査の違法性などを訴えた控訴審の判決が言い渡されました。 軍事転用できる噴霧乾燥機を中国などに不正輸出したとして逮捕・起訴された大川原社長ら3人。 大川原化工機 大川原正明 社長 「逮捕された時には、はっきり言ってびっくりしました」 しかし、東京地検は「軍事転用が可能だという点に疑義が生じた」として、初公判の直前に起訴を取り消し。大川原社長ら3人は一転、無実となりましたが、そのうちの1人は… 大川原化工機 元顧問 相嶋静夫さん(当時72) 「みんなに会いたい」 会社の元顧問・相嶋静夫さん。勾留中に見つかった胃がんが原因で亡くなりました。 「事件はねつ造された」。大川原社長らは2021年、賠償を求める訴えを起こします。 1審の東京地裁では、警視庁公安部と検察の捜査の違法性を認め、東京都と国にあわせておよそ1億6200万円の賠償を命じました。 その後、双方とも東京高裁に控訴し、控訴審では捜査を担当した警察官の1人がこう証言しています。 捜査担当した警察官 「問題はありました。(立件の必要は)日本の安全を考える上でも全くない。決定権を持っている人の欲だ」 きょうの判決では… 裁判長 「追加捜査を行っていれば、輸出規制の対象に当たらないことを明らかにできた。警視庁公安部の判断には、客観的に合理的な根拠が欠けていた」 改めて捜査の違法性を認め、東京都と国に対し、あわせておよそ1億6600万円、1審判決から400万円ほどの増額となる賠償を命じました。 大川原化工機 大川原正明 社長 「今回の判決もほぼ同じように逮捕・捜査の違法性を認めていただいた」 一方、警視庁は「判決内容を精査した上で今後の対応を検討してまいります」とコメントしています。

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