15日(現地時間)午前、米国ジョージア州サバンナに位置する現代自動車グループとLGエナジーソリューションの合弁バッテリー工場の出入口道路「LG通り」では、トラックが慌ただしく行き交っていた。本館の建設は終わっていたが、設備工事はまだ完了しておらず、バッテリー工場は稼働前の状態だった。 昨年9月にここで発生した、韓国人317人を含む475人の労働者が無差別に拘禁された事態は、就任1年を迎えたドナルド・トランプ米大統領の関税政策と移民政策が衝突し、矛盾を露呈した代表的な事例とされる。サバンナで会った労働者たちは、当時の出来事の影響が今も残っているのか、慎重な姿勢を崩さなかった。 昼休みになると、バッテリー工場前の空き地でヒスパニック系の夫婦が、労働者向けに南米風の弁当を準備していた。数年にわたりこの場所で商いをしてきたという2人は、「逮捕された人の大半は正規のビザを持っていたにもかかわらず、あのような事態が起きた」と当時を振り返った。さらに「ラテン系の人々は怖くて現場に戻れなかった」とし、「ようやく戻ってきた人たちも、いつ再び逮捕されるかわからず、仕事を探せずにいる」と語った。 弁当を手にしたLGエナジーソリューション協力会社所属のクリスさんは、「当時、私は取り締まりを免れたが、同僚は全員捕まった」とし、「何の落ち度もないのに罪人のように扱われ、いつ捕まるかわからないと怯え続けるのが本当に悲しく、恐ろしい」と話した。 サバンナのバッテリー工場で起きた一斉拘禁は、過去1年間のトランプ第2期政権を特徴づける中核政策が、現場でどのように実行されたのかを如実に示している。トランプ大統領は政策の一軸である関税を武器に、韓国をはじめとする同盟国を圧迫し、対米投資を強く促してきた。 しかし、政策のもう一つの軸である強硬な移民政策が、こうした流れと矛盾する結果を招いた。米国の先端産業の基盤を担い、雇用創出にもつながる工場を建設していた韓国人専門人材を、移民・関税執行局(ICE)が取り締まり実績を上げるため、手近な対象として扱ったためだ。 3カ月以上が過ぎたが、事実上国外退去となり、その後再入国した韓国人労働者たちは、「惨めに連行される様子を、韓国にいる家族にまで見られた」と語り、実名での取材を一様に拒んだ。Aさんは「拘禁事態の後は、ESTA(電子渡航認証)を提示し、『LG工場に行く』と伝えるだけで問題なく入国できる」とし、「それなら、なぜあの事態が起きたのか理解できない」と語った。 ダウンタウンで会った現代自動車社員のカイルさんも、「サバンナには港湾関連の仕事しかなかったが、外国企業の投資によって良質な雇用が増えた」とし、「雇用を生み出す工場を建てる技術者を追放したのは、明らかな矛盾だ」と今回の拘禁事態を批判した。 現地の韓国企業は、この事態をきっかけに地域との関係改善に努めている。LGエナジーソリューションは、「外国人が現地の雇用を奪っている」という批判を受けたことから、拘禁事態前は200人余りだった現地採用規模を2倍以上に拡大した。現代自動車も地域社会への貢献として、昨年10月にサバンナ州立大学へ500万ドル(約7億9000万円)を寄付した。