懸賞金40億円かけたのに…米国、マドゥロ大統領のメンターを逮捕しなかった理由は

米国がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の追放作戦の前後にかけて、ベネズエラの強硬派の実力者であるディオスダド・カベジョ内相と水面下で接触を続けていたとする報道があった。 17日(現地時間)付のロイター通信は、ドナルド・トランプ政権の消息筋の話として、米国政府がベネズエラのマドゥロ大統領を逮捕するための作戦を遂行する数カ月前から、マドゥロ大統領の側近であり強硬派のカベジョ内相と連絡を取り合っていたと報じた。この過程で米国はカベジョ内相に対し、情報機関や警察・軍などの治安機関、さらには政府側の武装勢力を動員して野党勢力を弾圧しないよう警告していた。 米国がマドゥロ大統領を逮捕する根拠に用いた麻薬密売容疑の起訴状に、カベジョ内相も名を連ねていたが、同作戦の逮捕対象には含まれなかった。ロイターは、この議論に精通した2人の消息筋の話として、カベジョ内相は現トランプ政権の発足当初から、マドゥロ大統領追放直前までの数週間にわたり接触を続け、本人に課せられた制裁や起訴の問題などについて米国政府と協議していたと報じた。このような接触はマドゥロ大統領追放後も続いているという。 カベジョ内相は、米国が制裁していた「カルテル・デ・ロス・ソレス」(太陽のカルテル)に関連し、要注意人物として制裁対象になっている。太陽のカルテルは、過去に麻薬密売に関与したベネズエラの軍部・政治エリートを指す別称であり、実体はない。しかし、米国はカベジョ内相に懸賞金2500万ドル(約40億円)をかけた。これをめぐり、マドゥロ大統領の追放後、米国の政治家の間ではなぜ米国が司法省の起訴状にマドゥロ大統領の次に名が記されたカベジョ内相を同時に逮捕しなかったかという疑問も提起されていた。 ロイターは、トランプ政権とカベジョ内相の継続的な接触が、ベネズエラ内部の状況を管理しようとする米国の戦略における中核的な要素だと指摘した。消息筋によると、カベジョ内相は両政府の仲介者の役割を果たしているとされる。 米国はデルシー・ロドリゲス大統領権限代行を「マドゥロ後のベネズエラ」の中心軸とみなしているが、自らの計画を予定通りに進めることも覆すこともできる力を持っている人物はカベジョ内相だと認識しているとされる。カベジョ内相が自身の統制下にある勢力を動員する場合、トランプ政権が避けようとしている内部混乱が誘発され、ロドリゲス大統領権限代行の権力基盤も揺らぐ可能性があると評されている。 カベジョ内相は長年にわたり、ベネズエラにおけるマドゥロ体制の「ナンバー2」とみなされていた。ウゴ・チャベス前大統領の側近の補佐官出身で、マドゥロ大統領の政治的メンターだったカベジョ内相は、その後も、マドゥロ大統領の長年にわたる忠誠派としての役割を果たしてきた。政権による弾圧の中心的な実行者として恐れの対象とされてきた。また、カベジョ内相は、広範囲な人権侵害の疑いを持たれている政府側民兵組織「コレクティーボ」を掌握している。これに先立ち米国は、自国の要求とベネズエラ内部の秩序維持に協力しない場合、次の最優先標的はカベジョ内相になる可能性があると脅しをかけている。 トランプ政権とカベジョ内相間の協議がベネズエラの今後の統治構想にまで影響を及ぼしたのかどうかは明らかでないと、ロイターが報じた。ただし、これまでカベジョ内相は、現行の臨時政権に協力する意向を公に表明してきた。カベジョ内相とロドリゲス大統領権限代行は、数年間にわたり政府と議会を掌握する統一社会党(PSUV)の中心人物として活動してきたが、互いを親密な同盟者とみなしてきたわけではない。 このような権力構図のもとで、ロドリゲス大統領権限代行は、現在の米国の石油生産の拡大要求に応じる一方、内部の脅威から自身を守るために、中心的な要職に側近を配置し、権力基盤を固めることに注力している。ホワイトハウスとベネズエラ政府は、ロイターのコメント要請には応じなかった。 ユン・ヨンジョン記者 (お問い合わせ [email protected] )

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