イスラエル諜報機関トップの兄弟、ガザへの密輸組織摘発で逮捕

テルアビブ(CNN) イスラエルの国内諜報(ちょうほう)機関「シンベト」のトップの兄弟が、大規模な警察の摘発によって他の14人と共に逮捕された。密輸組織を構成し、パレスチナ自治区ガザ地区に禁制品を運んでいたとみられる。 逮捕・起訴されたベザレル・ジニ被告は、営利目的でガザ地区に違法たばこを密輸する活動に携わっていた。イスラエル当局は当該の密輸を「組織的かつ巧妙」なものだったとしている。 起訴状によると被告は、たばこ14箱をガザ地区に密輸し、約36万5000シェケル(約1800万円)を受け取ったとされている。検察は起訴状の中で、この摘発で逮捕された他の被告たちについて携帯電話、自動車部品、その他の品物を密輸していたと述べている。 起訴状によれば、密輸組織にはイスラエル予備役兵に加え、占領下のヨルダン川西岸地区とガザ地区のパレスチナ人が含まれていた。密輸ルートはヨルダン川西岸地区の供給業者から始まり、イスラエルの倉庫を経由して、最終的にはイスラエル軍の車列によってガザ地区に到達したとみられる。場合によっては作戦活動中に運搬された。 密輸は作戦上の必要性を装って行われたこともあったと、検察官は指摘した。密輸組織は、ガザ地区への大規模な人道支援活動を利用していたとされる。壊滅した同地区には、これらの支援活動を通じて援助物資や商業物資が輸送されている。 シンベトは、このような密輸行為は「イスラエル国家の安全保障にとって重大な脅威になる」と警告。密輸業者の行動により、ガザ地区におけるイスラム組織ハマスやその他の武装組織の勢力が直接的に強化されると主張した。 シンベトの声明によると、密輸業者はガザ地区に流入する物資で得られる利益を通じてハマスの生存と統治を支援。ハマスの勢力強化と軍備増強に貢献し、軍事生産能力の刷新を助けているという。 また武器、技術、装備の密輸ルートを潜在的に生み出しているとも指摘。イスラエルとその軍隊への攻撃に利用されかねない経路も生まれていると述べている。 起訴状によると、被告とその共犯者は「密輸された物資がハマスやその支援者を含むテロ組織に渡り、彼らの勢力強化や活動の促進・資金調達に利用される可能性があることを認識していた」という。 ジニ被告の弁護士は、被告は容疑について無実だと主張。本人は非常に優れた人物であり、国家の利益を常に第一に考えてきたと述べた。 被告は、贈収賄や戦時中の敵の幇助(ほうじょ)などの罪に問われている。 当局はジニ被告に対する罪状と、シンベトの長官を務める兄弟のダビド・ジニ氏を結びつける証拠はないと強調している。ダビド氏にこの事件での不正行為の容疑はかけられていない。 ネタニヤフ首相がシンベト長官に指名したダビド・ジニ氏は、同機関始まって以来最も物議を醸した人事の一つとなった。本人に諜報活動の経験がなかったこと、元シンベト職員から「極端な世界観」の持ち主と批判された人物だったことなどが理由だ。ダビド氏はイスラエル国防軍(IDF)から直接引き抜かれたため、シンベト内での職務経験は全くない人物だった。 ベザレル・ジニ被告に対する捜査は、両者の関係を理由に、シンベトではなくイスラエル警察が担当した。他の被告に対する捜査はすべて、シンベトとイスラエル警察の合同捜査によって行われた。

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