一連の鹿児島県警の不祥事の裁判が事件発覚から2年近くを経て、ようやく動き出しそうです。 「県警本部長が警察官による盗撮事件の隠ぺいを図ったことが許せなかった」。 内部情報を漏えいした罪に問われている元生活安全部長は事件の背景をそう主張していましたが、検察側はこの盗撮事件については、起訴していませんでした。 そうした中、鹿児島地裁は24日、事件の核心を握るこの盗撮事件の証拠の一部を開示するよう、検察に命じる決定を下しました。 この事件は、県警の元生活安全部長、本田尚志被告(62)が、2024年3月下旬、定年退職後に県警の内部資料を北海道の記者に郵送して漏らしたとして、国家公務員法違反の罪に問われているものです。 本田被告は逮捕後に漏えいした文書について語り、未発表の警察の不祥事を明らかにしました。 このうち枕崎警察署員による盗撮事件について、本田被告は法廷で「当時の野川明輝本部長が事件の隠蔽を図った」と主張しました。 鹿児島地検はこの盗撮事件については起訴せず、別のストーカー事案に関する情報漏えいについて、本田被告を起訴しました。 弁護側は本田被告の行為は警察官による犯罪の隠蔽を明らかにするための「公益通報」だとして裁判では無罪を主張する方針で、そのうえで起訴されていない盗撮事件について審理の対象にすべきと、証拠の開示を求めていました。 約1年半にわたり、裁判の争点を整理する公判前整理手続きが続けられてきましたが、24日、鹿児島地裁の小泉満理子裁判長は、盗撮事件の証拠の一部、事件の捜査経過を示す36点について、検察に開示するよう命じる決定を下しました。 この決定は検察、弁護側ともに不服の申し立てが可能で、決定が覆る可能性はありますが、このまま裁判が始まれば起訴されていない盗撮事件についても審理の対象となる見通しとなりました。 県警トップによる隠ぺいはあったのか、本田被告の行為は「公益通報」か「情報漏えい」か。 県警の不祥事をめぐる最大の裁判が2年近くを経て、ようやく動き出すことになりそうです。