NHKで起きた不祥事をめぐる対応に厳しい視線が注がれる中、新会長・井上樹彦氏の発言がさらなる波紋を呼んでいる。 「NHK副会長を経て、今年1月に第25代会長に就任した井上氏ですが、国民には受信料を求める一方で、身内には甘いとも受け取られかねない“ご都合主義の体質”が浮き彫りになったのです」(芸能ジャーナリスト) そんな“保身的”な組織の論理が露呈したのが、3月25日、不同意性交の疑いで逮捕された同局ディレクターが不起訴処分となった際だった。 「3月6日、NHK報道局スポーツ情報番組部のチーフディレクターが、1月に東京・渋谷の路上で20代女性を人気のないビルに連れ込み、性的暴行を加えた疑いで逮捕されました。 スマートフォンからは複数のわいせつ行為の画像や動画も確認され、余罪の可能性も視野に捜査が進められていましたが、地検は『必要な捜査を遂げたうえでの判断』とし、『関係者の名誉やプライバシー保護』を理由に不起訴の詳細を明らかにしていません。 もっとも、そうした中でNHK側からも踏み込んだ説明はなされていません。結果、“何も分からないまま”という印象だけが残っています」(同前) 説明なき幕引きに対する批判がくすぶる中で飛び出したのが、井上氏の“空気を読まない”発言だった。 「3月20日に公開された『読売新聞オンライン』のインタビューで井上会長は、“スクランブル化(見たい人だけが契約し、料金を支払う仕組み)”について『有料配信やスクランブル方式などとは相いれない』と一蹴。 さらに『今の受信料制度こそが、やっぱり最上だと思う』と、“全国民で広く負担すべきだ”と断言しました。この発言は3月26日、集英社オンラインでも報じられ、波紋が拡大しています」(同前) 問題なのは、その“最上”という認識と現実とのズレだ。 「NHK放送文化研究所の分析では、NHKを1週間に一度も視聴しない層が増えているようで、月間未視聴世帯は3〜4割に達するとの推計もあります。それでも未収世帯には法的措置を強化し、ホテルや事業所にも徴収を拡大するなど、強硬な姿勢が目立っています」(同前) 先月27日には埼玉県が、NHKと受信契約を結んでいなかったカーナビ付き公用車371台分の受信料、約4500万円を支払ったと発表するなど、その厳しい徴収は自治体にも広がっている。 国民には受信料を厳しく求めながら、自局の不祥事には十分な説明を避けるーー。多くの視聴者は“都合の良い経営”だと感じているようだ。X上では 《必要とされて契約してもらえる局作りをしろ》 《受信料不払いこそが最上》 といった厳しい声が相次いでいる。 “最上の制度”とアピールする前に、まずは足元の信頼回復が求められているようだがーー。