移民排斥と親パレスチナ、6万人が同時デモ 英国の分断あらわに

英ロンドンで16日、非正規移民の排斥などを訴える大規模デモと、親パレスチナや排外主義への反対をアピールする大型デモが同時に実施され、英メディアによるとあわせて6万人以上が参加した。反非正規移民デモは、昨年9月に約15万人が参加したデモと同様、極右活動家のトミー・ロビンソン氏が呼びかけた。英国社会の分断が首都であらわになる格好となった。 反非正規移民デモの参加者は、国旗やイングランドの旗を掲げてロンドン中心部を歩き、大通りを埋め尽くした。非正規移民の多くは英仏海峡を小型ボートで渡ってきて難民申請することから、「ボートを止めろ」と叫ぶ人もいた。イランの国旗を振り、イランの現体制を批判するグループも散見された。 イングランドの旗をまとって参加した男性(45)は「生活費が高くて苦しい国民が多いのに、不法に入国した移民がホテルに入れて(支援)金ももらえるのは許せない。不法移民の中にはギャングや犯罪者もいる」と主張した。 一方、親パレスチナのデモは、1948年のイスラエル建国に伴い約70万人のパレスチナ人が難民となった「ナクバ(大惨事)」の日(5月15日)にちなんで企画された。反非正規移民デモと同時開催になり、これに抗議するカウンターデモも兼ねる形となった。 英中部ノッティンガムから駆けつけたジョージア・マッキンタイアさん(28)は「極右に傾く人が増えている。憎悪や人種差別に対して声を上げて闘わなければいけない」と話した。 この日はサッカーのイングランド協会(FA)カップ決勝の警備も含め4000人以上の警察官がロンドンに配備され、両デモの参加者による衝突などを防ぐため厳重に警戒した。ロンドン警視庁によると、両デモを巡り計40人以上が逮捕された。【ロンドン福永方人】

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