栃木3人死傷強盗殺人 なぜ実行役16歳の少年ばかり?専門家「使いやすい“操り人形”になる」 “トクリュウ”の新たな実態とは

栃木・上三川町で3人が死傷した強盗殺人事件で、実行犯として16歳の少年4人が逮捕されたのに続き、指示役とみられる20代の夫婦が逮捕された。なぜ凄惨な事件は起きてしまったのか。現地取材で見えてきたのは、「トクリュウ」の新たな実態だった。 ◆一見、ごく普通の少年 17日夜、事態は急展開した。 栃木・上三川町の住宅で、3人が死傷した強盗殺人事件で新たに逮捕されたのは、指示役の1人とみられる竹前美結容疑者。 25歳の女だった。 さらに、17日未明、同じく指示役とみられる28歳の竹前海斗容疑者が、強盗殺人の疑いで逮捕された。 海外に逃亡しようとしていたとみられている20代の夫婦の逮捕。 その指示を受けた実行犯として、16日までに逮捕された4人は、全員が神奈川県に住む16歳の少年。 現役の高校生らだった。 それも、事件当日、確保された高校生Aとみられる人物は、一見、どこにでもいそうなごく普通の少年だった。 確保の瞬間の目撃者: 全然暴れるとかもなく、うつむき加減で静かな感じだったよ。 殺害された富山英子さんの胸部には、数十か所に及ぶ刺し傷や切り傷があり、何度も殴られた痕跡が確認されている。 実行犯とみられ逮捕された4人の16歳。 なぜ凄惨な事件は起きてしまったのか? Mr.サンデーが入手した防犯カメラ映像が捉えていたのは、事件前から繰り返し現れていた不審な車と、そこから一定の距離をとるバイクの姿だった。 被害者宅の近隣住民: (犯行グループは)富山さんの生活パターンを熟知した上で行ってるんじゃないかなって思います。 さらに、現地取材で見えてきたのは、高校生らを取り込み、操る、匿名・流動型の犯罪グループ、「トクリュウ」の新たな実態だった。 ディレクター: 塀の壁には黒いこすれた跡のようなものがあります。靴のゴム底の跡でしょうか。 さらに、現場近くでも…。 ディレクター: こちら田んぼの中に足跡のようなものがあります。 残された痕跡と証言から、事件前後、実行犯の詳細な足取りが浮かび上がった。 ◆事件直前、防犯カメラに怪しい人影 事件直前、怪しい人影を捉えていたのは、富山さん宅の隣の家の防犯カメラだ。 頭まで黒づくめで、目だけを出し、手にはバールのようなものが…。この時、現場付近の気温は、21度まで上がっていたが、分厚い上着を着ていた。 不審な男と会話した住民: この暑いのに目出し帽を被って全身黒の洋服なんか着てて。「何ですか?」って聞いたら「今から頑張ってきます」と言って去ったんですよ。 男と話をしたという住民は、「日焼け予防をして草刈りを頑張る」と受け止めたという。 そして、平然と立ち去った黒づくめの男は、そのまま富山さん宅へ。そして…。 ディレクター: はっきり足形が残っていますね。 鑑識も入念に調べていたこの塀を、複数の男が越えたとみられる。 住宅に押し入ると、金品を物色中に出くわした、住人の富山英子さんを凶器で刺すなどして殺害。 異変に気付いた夫が、近くで働く40代の長男と30代の次男に連絡をし、駆けつけると、男らは2人に襲いかかり、逃走した。 南側に住む住民によると…。 逃げる男を見た住民: 軽自動車に乗った若い女性がクラクション鳴らしながらこの前を通ったのよ。「黒ずくめのおかしい人が動いてますよ」っていう話で。 車を運転中、怪しい人物を見かけた地元の人がクラクションを鳴らして追跡すると、その人物は民家の敷地内に隠れながら、神社の方へ逃げ込んだという。 その先にある、あぜ道を見ると…。 ディレクター: こちら田んぼの中に足跡のようなものがあります。これも足跡ですね。 相当な慌てようだったのか、さらに先の道路には…。 落ちていた靴を見た住民: 靴が片方だけ脱ぎ捨てられてた。それを警察官が写真撮ったりしてたから。やはり犯人の靴だったんだわねって。 そして、その約400メートル先で、観念したように、パトカーに手をついているように見えるのが、逃げた高校生Aとみられる。 一方で、富山さん宅の北側では、別の人物が…。 逃げる男の目撃者: 細い道あったでしょ。そこに入っていった。若いのは若いわ、走るの速かったもん。 逃げ去った男3人。逃走ルートも指示役から示されていたのだろうか。 実は、犯行グループによるものとみられる下調べは、事件前、少なくとも4月から行われていた。 ◆4月上旬、富山さん宅の情報盗まれる 4月上旬、隣町にある富山さんの次男が暮らす家で、窃盗事件が発生。 その時、実家の情報が書かれた資料も盗まれていたことが明らかとなっている。 それを元に、富山さんの家を狙ったのか。 4月下旬、富山さん宅近くで撮影された写真。 地域の人によると、この辺りでは見慣れない車両だったといい、しかも、バイクのナンバープレートは、見えないように跳ね上げられている。 警察に報告した周辺住民は、不審者情報を共有していた。 共有された不審者情報: 週末、上神主の田んぼ地帯に長時間(1、2時間)バイクに乗って動かない人物を目撃。 月曜日、上神主の用水路横の砂利道に朝から(7時半くらいから10時頃まで)バイクに乗って動かない人物を目撃。 もしかしたら空き巣の下見などの可能性があるとのことです。 そんな警戒をかわすかのように…。 ◆軽ワゴンと黒いバイクの姿 Mr.サンデーが独自に入手した5月5日の防犯カメラ映像には、4月とは車種が違う軽ワゴン。そこには、やはり黒いバイクが…。 その約2時間40分後、来た道を戻っていく軽ワゴンの後ろにも黒いバイクの姿があった。 この不審な車両の動きを読み解くと、今回の事件につながるある接点があった。 ナンバーを跳ね上げた不審なバイク。 ドライバーは、季節外れのダウンジャケットを着込んでいるが、翌日も、同じ軽ワゴンが現れ、後ろについてきたバイクの人物は、前日と同様の服を着ていた。 連日、同じメンバーで下見していたのか。 この2日間、防犯カメラに映った時刻を見ると、どちらも「午前8時台」。 今回、強盗殺人事件が起きたのは午前9時半ごろだった。 しかも、4月下旬に撮影された不審な車とバイクが止まっていた場所は、直線の道を進むと、富山さんと息子たちが営む農業用ハウスがある。 近隣住民: 見通しが良くて田んぼしかないから。 近隣住民: 富山さんのあの生活パターンを熟知した上で、きっともう9時半には仕事にね。長男も次男もハウスの方に行っちゃう。 家族がハウスで働き、高齢の英子さんと夫だけが自宅に残る時間帯を、確かめていたのだろうか。 実際、実行犯が富山さん宅に入った時、息子たちは不在だった。 ◆専門家「次々と強盗事件起こす恐れ」 事前の準備と、計画の上に行われたとみられる犯行だが、なぜ、実行役として逮捕されたのが16歳の少年ばかりだったのか? 長年、闇バイトを取材する犯罪ジャーナリストの石原行雄氏は次のように語る。 犯罪ジャーナリスト・石原行雄氏: 今回一番大きなポイントは、実行役の高校生が顔見知りである可能性が極めて高い。これ最近の闇バイト募集の特徴が集約されている部分なのかなと。 大きく変わったのは去年ですね。仮装身分捜査というものが始まってですね、リクルーターが警戒をしているわけですね。 仮装身分捜査は、捜査員が架空の身分で闇バイトに応募するなどして、犯罪グループに接触する捜査手法だ。 従来、犯罪グループはSNSで実行役を広く募集するケースが主流だったが、警察の捜査で摘発のリスクが高くなる。 そこで最近は、実行役を1人見つけると、その仲間内で声をかけ、人を集めさせる形に変わってきたというのだ。 実際、逮捕された高校生Aは「同じ学年の人物が仲間にいて、誘われて入った」と話しているという。 しかも、その年代は、犯罪グループにとって都合が良いという。 犯罪ジャーナリスト・石原行雄氏: 命令で高齢者を殴ってしゃべらせろ、金庫の番号をしゃべらせろと言って。普通の感覚が残っていればできないですよね。 やっぱりそこは、若者で思慮が浅いですとか、想像力が乏しいとか。目先のお金のため、とにかく命令されてるんだから言われたことをやらなきゃということで、使いやすい“操り人形”になるということ。 少年たちを“便利な操り人形”にしようという犯罪グループ。 17日、指示役とみられる20代の夫婦が逮捕されたが、石原氏によれば、今回の犯行は…。 犯罪ジャーナリスト・石原行雄氏: 普通は服装まで細かく指示されるんですよ。ギリギリまで普通の格好をして、(目出し帽を)パッとかぶって入らせるですとか。そういうことをやらずに、5月の暖かくなった時期にあんな格好で歩いている時点でおかしい。指示全体の本当に粗末さ、粗雑さっていうものを強く感じますね。 その粗さゆえ、より警戒が必要だという。 犯罪ジャーナリスト・石原行雄氏: 急にその大金を作る金策をする必要があって、慌てて強盗事件を起こしている恐れが1つある。ひたすらその捨て駒、操り人形を飛ばして、次々と強盗事件を起こすという恐れは十分にある。 (「Mr.サンデー」5月17日放送より)

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