基地の街・佐世保で反戦平和を訴える「19日佐世保市民の会」のデモ行進が19日、佐世保市中心部のアーケードであり、節目の700回に達した。自由参加でシュプレヒコールもない無言の行進は「垣根の低い平和運動」として58年続いてきた。初回から参加している事務局長の宮野由美子さん(78)は「身近にいる自衛官らを戦場に送らなくていいよう、小さな力だが平和を訴えていきたい」と意義を語る。 きっかけは1968年1月19日、米原子力空母エンタープライズの日本初寄港。全国から学生や労働組合員ら反対派が結集し、警官隊と衝突。逮捕者70人、負傷者500人以上が出る惨事となった。デモ行進は翌月から毎月19日に実施。午後6時に松浦公園に集合して三ケ町、四ケ町両アーケード約1キロを歩いている。 700回目には長崎県内外から約20人が参加。「平和のために歩きましょう」と書かれた横断幕とのぼり、武器輸出反対などのプラカードを掲げ、黙々と歩を進めた。 佐世保には自衛隊や米海軍基地があり、佐世保配備の米強襲揚陸艦などは対イラン軍事作戦で中東に派遣されている。手作りの看板を掲げた男性(55)は「戦争が当たり前の世の中になっている」と危機感を募らせ「原爆の日や終戦の日だけでなく、日頃から戦争反対を訴えたい」と語った。市内の男性(72)は「基地がある佐世保は戦争になるとどうなるのか」という不安が参加し続ける原動力の一つという。 30年以上反基地を訴えてきた女性(58)は近年、県と佐世保市が東彼川棚町で進める石木ダム事業反対のプラカードを掲げている。「このデモは信条が違っても平和を訴えるという一点で参加できる。嫌なものは嫌と言っていいと大人が伝えたい」 日本各地では交流サイト(SNS)を通じたデモの波が広がるが、佐世保には届いていない。同会の参加者は平均15人で高齢化も進む。事務局の後任も決まっていない。宮野さんは「いつまでやるのか不安はあるが、(700回は)通過点として、これからも続けていく」と話した。