「意向聞かれず通報」児相連絡の阿部前監督の長女…チャットGPT相談から警察介入に発展

プロ野球巨人の阿部慎之助前監督(47)が家庭内トラブルで現行犯逮捕され、辞任した問題では、長女(18)が対話型の生成人工知能(AI)からの回答を踏まえて児童相談所に連絡、児相からの通報で警察官が駆け付けた。26日に公表された長女の手紙からは、自らの意向に反して父親が逮捕されたことに困惑する心境もうかがえ、児相や警察が家庭に介入する難しさを物語っている。 ■早期対応で安全確保も 《私自身の意向が聞かれることはなく、警察に通報されるという形になってしまいました》 長女の手紙では、本人の意思とは裏腹に「警察沙汰」となった状況が明らかとなり、普段の親子の仲むつまじい関係性も伝わってくる。 「長女が自ら児相に連絡したため、緊急性が高いとの判断に至ったのではないか」 今回の状況について、日本こどもの安全教育総合研究所の宮田美恵子理事長は児相の対応をこう推測する。 児童虐待では、子供が恐怖心などから事実を矮小(わいしょう)化して話したり、正しく説明できなかったりするケースも少なくない。阿部前監督の家庭から過去に児相への相談履歴がなかったことから、家庭状況を把握できず、警察に協力を仰ぐ判断に至った可能性があると宮田氏はみる。 虐待死事件で児相や警察の対応が批判されてきた経緯もある。宮田氏は「相談を受けていたにもかかわらず事件につながるといった過去の事案を踏まえ、早期に子供の安全を確保するという意識が浸透しているのかもしれない」と説明した。 ■心情の機微読み取り困難なAI 長女がトラブル時に頼ったのは対話型の生成AI「チャットGPT」だった。AIの助言によって行政など具体的な相談窓口を示し、隠れた虐待を露見させる期待もある。ただ、AIは利用者の心情の機微を読み取ることは難しい。 過去には、虐待が疑われる子供の一時保護を巡り、こども家庭庁がAIにその必要性を補助的に判定させるシステムの導入を検討したが、信頼性に疑義があり、実用化を留保した経緯もある。 宮田氏は「AIの提示する情報はあくまで一例。受け取った情報を慎重に判断する重要性を家庭や学校で教えていく必要がある」と話した。(永礼もも香)

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