縛って殴り、服を脱がせてさらし者に…インド「不可触民」への衝撃の群衆裁判

インドで、カースト制度の最下層とされる不可触民(ダリット)出身の若者2人が、窃盗の疑いをかけられたことを理由に村の住民から集団暴行を受け、服を脱がされたまま村を引き回されていたことが明らかになり、波紋が広がっている。 9日、インドメディアのNDTVによると、事件は最近、インド北部パンジャーブ州スリ・ムクツァル・サーヒブ地域のある村で発生した。 被害者らは、出稼ぎ労働者の携帯電話を盗んだとのうわさが広がったことで住民に拘束された。その後、2人はロープでつながれた状態で激しい暴行を受けたうえ、服を脱がされたまま村の中を強制的に歩かされたと伝えられている。 事件は、当時の様子を収めた映像がSNSで拡散されたことで明るみに出た。映像を見たネットユーザーらは怒りを示し、群衆裁判式の処罰を批判する声が相次いだ。 ◇家族「ダリットを侮辱する暴言も」…厳正な処罰を要求 被害者の家族は、若者2人はいずれもダリット共同体に属していると明らかにした。 家族らは、2人が暴行を受け、さらし者にされる過程で、不可触民を侮辱する暴言まで浴びせられたと主張した。 さらに今回の事件について、人間の尊厳と法治主義を深刻に損なう群衆裁判だったとして、加害者に対する厳しい処罰を求めた。 一方、村の住民らは、若者2人が携帯電話の窃盗事件に関与したと主張している。ただし、被害者側が提起した人権侵害や違法行為については、特段の立場を示していないと伝えられている。 警察は、窃盗容疑を受けている若者2人を逮捕した後、2人に暴行を加えた住民らについても法的措置を検討していると明らかにした。 警察関係者は「村の人々は若者たちを自分たちで処罰するのではなく、警察に通報すべきだった」と述べた。 ◇インド最下層の階級「ダリット」…全人口の16% 事件を受け、不可触民に対する人権侵害や社会的差別問題を調査するパンジャーブ州指定カースト委員会も事実関係の把握に乗り出した。 指定カースト(Scheduled Castes)は、インド憲法上の公式用語で、カースト制度の最下層とされる不可触民を指す。彼らは一般に「ダリット」とも呼ばれている。 かつてマハトマ・ガンディーは彼らを「ハリジャン(神の子)」と呼んだ。しかし現在では、「抑圧された人々」という意味を持つ「ダリット」という表現の方が当事者の間で広く使われていると伝えられている。 2011年のインド国勢調査によると、指定カースト人口は約2億100万人で、全人口の約16%を占める。彼らはインド全土に居住しているが、とりわけパンジャーブ州をはじめとする北部地域に比較的多く暮らしている。

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