長崎市内の障害者の生活介護施設で昨年2~3月の約1カ月間、複数の職員が複数の利用者に対し暴力や暴言を繰り返し、同市が約200件を虐待や不適切な行為と認定していたことが18日、判明した。この1カ月は市が特別監査で施設内の録画映像を確認した期間に限られ、実際の件数はさらに膨らむとみられる。被害者の家族は施設と市に対し実態を明らかにするよう求めている。 この施設を巡っては、元男性職員が昨年4月に暴行容疑で逮捕され、同10月に有罪が確定。約2年半もの間、虐待を繰り返していた。市は施設を運営する社会福祉法人に改善を勧告した。この中でこの職員を含む複数の職員が日常的に身体的・心理的虐待を加えていたことが明らかになったが、件数には言及していなかった。 市議会一般質問で中西敦信議員(共産)に星原真樹福祉部長が答えた。 市は昨年4~9月に特別監査を実施。その報告書などによると、施設側が市に提出した同2~3月の約1カ月間の録画映像で、複数の職員が意思疎通が困難な利用者を蹴って追いかけたり、たたいたりする行為などを確認。虐待127件、不適切な対応77件の計204件を認定したという。 さらに同施設では、市が2015年度にも虐待で特別監査を、17年度にも実地調査を実施しており、10年間で虐待に関する指導監査は3回に上った。 一般質問では、中西議員が虐待に及んだ職員数や被害者数を明らかにするよう求めたが、星原部長は「被害者や家族に配慮して詳細は控えたい」として答えなかった。 被害者家族の1人は取材に「事件発覚前1カ月の虐待件数がようやく明らかになったが、なぜこれほど時間を要するのかと疲労感を覚える。事件の全体像はまだ分からないので、今後も施設側に説明を求めていきたい」と述べた。市に対しても「『被害者に配慮して詳細を控える』というのは詭弁(きべん)だ。昨年12月に担当課に情報を教えてほしいと問い合わせたが『何も言えない。施設に聞いてほしい』の一点張りだった。積極的に情報を提供し事実関係を精査してほしい」とした。