熊本県八代市の新庁舎を巡る汚職事件で、「市議会のドン」といわれた市議とともに逮捕・起訴された男が、偽名でジャーナリストになりすまし、百条委員会を妨害していた可能性があることが分かりました。 ■“スパイ活動”真相究明妨害か 熊本県八代市の新庁舎を巡って、6000万円の賄賂を受け取った罪に問われている成松由紀夫被告。 18日、「八代市議会のドン」といわれた成松被告ら4人は、受け取った賄賂の一部を使用しマネーロンダリングをしたとして、組織犯罪処罰法違反の罪でも起訴されました。 今週はそれに付随した、新たな問題が明らかになりました。成松被告が所属していた自民党市議団の3人が、市議会で百条委員会を妨害したと追及を受けたのです。 こちらは成松被告が逮捕される3週間ほど前、汚職事件の真相を究明する百条委員会での一幕です。 自民党八代市議団 橋本貴喜市議 「証言にあたり、事前の打ち合わせはあった?」 証人 「事前の打ち合わせ等は一切ございません」 橋本市議 「手元に写真がありますが、あなたですよね?間違いないですか?」 自民党市議団は、百条委員会の委員長と、証人として呼ばれる市の職員が事前に密会し、口裏を合わせていたのではと、写真を見せながら追及しました。 自民党八代市議団 村川清則団長 「とにかく公平公正な百条委員会の運営がなされない。今の百条委員会自体はもう解消すべきだ」 これに対し委員長は、疑惑を全面的に否定します。 百条委員会 中山諭扶哉委員長 「あの時の写真だなと、はっきり分かりました」 委員長によると今年3月、ジャーナリスト「櫻井要(偽名)」と名乗る人物から、談合疑惑について取材したいと持ち掛けられました。取材に応じるためにホテルの会議室に入ると、証人である職員も呼ばれていて、意図せず鉢合わせたのだといいます。 中山委員長 「(Q.鉢合わせる環境が作られた?)会議室もあらかじめ取ってありましたし、恐らく小さいカメラで撮られて、動画を切り取られたと想像します」 捜査関係者によると、ジャーナリストを名乗る「櫻井要」は偽名で、成松被告とともに、一連の事件で起訴されている伊藤卓也被告です。 伊藤被告は「取材」と称して委員長や証人を呼び、2人が居合わせた場面を隠し撮りしたとみられています。 中山委員長 「“櫻井”がスパイだった。成松議員だったか市議団が雇ったのか分からないが、最終的には自民党市議団に(情報や写真が)渡っていたのは事実」 ■偽名でジャーナリストになりすまし この“櫻井要”から取材を受けたという人物がいます。かつて八代市のアドバイザーを務め、一連の疑惑をYouTubeで追及していた小島尚貴さんです。 八代市元アドバイザー 小島尚貴さん 「これからかなり大きな事件に発展していく可能性があるので、一緒にやっていきたいという提案」 しかし、実際に会ってみると…。 小島さん 「細かく資料を読み込んでこない。信じさせて資料なり人脈を盗み取ることだけ目的だった。後から合点がいくことが多い」 自民党市議団は、委員長と証人が同席する写真をどうやって入手したのでしょうか。 自民党八代市議団 橋本貴喜市議 「弁護士さんからいただいて提示した。入手経路については弁護士さんしか知らない」 15日の百条委員会では、写真を持ち出し追及していた自民党市議団3人が追及を受けました。 野崎伸也市議 「間違っていますよね。あなたが出した写真。不正ですよね。謝罪する気持ちはないんですか。弁護士から(入手ルート)確認しますよね」 橋本市議 「直接やりとりはしていない。写真の真偽は知るところではない」 野崎市議 「議員でしょ。責任感はないんですか。おかしいでしょ今の発言」 18日、懲罰特別委員会では「証人を陥れようとし、入手経路不明な資料を持ってきた」などと指摘され、3人の除名処分が可決されました。 (2026年6月20日放送分より)