県内では2026年に入り、この事件のほかにも、同居する家族の遺体を放置した死体遺棄の疑いで4人が逮捕されています。 全ての事件が一概に同じケースとは言えませんが、こういった死体遺棄事件の背景について今回の裁判を深掘りし考えていきたいと思います。 裁判の中で大槻被告は動機について「新聞広告でお葬式代は20万円から30万円と知っていた」「お葬式代が無かった」などと話しています。 経済的な困窮が、事件の発端かというとそうとも言い切れません。 裁判の中では被告の口座に障害厚生年金がお葬式に十分な額振り込まれていたことが指摘されました。しかし被告はお金があることを「知らなかった」と証言しています。 病気で足を悪くしたため、銀行への用事などは亡くなった母親が行っていたそうです。 こういった状態を踏まえ、社会福祉の専門家は「社会的な孤立が背景にある」と指摘します。 ■佛教大学 新井 康友教授 「同居家族がいても社会的孤立して、実際全国各地で同居孤立死、同居孤独死というようなことが起きているのが現状でして同居家族がいるから安心できる社会ではなくなった。やはり今回の事件の社会的課題としては、社会的孤立があるということが言えると思います」 新井教授は行政や相談機関がもっと身近にあるべきとして例えば一定期間通院していない高齢者の元を訪問するなど医療福祉の専門職による見守りの仕組み作りが必要と話します。 また「社会福祉の制度があまり知られていない」という点も指摘しています。 葬儀代には市町村への申請によって受けられる公的な補助も存在するんです。 例えば国民健康保険に加入している方が亡くなった場合申請することで5万円が受け取れます。 また、生活保護の一つとして葬儀代を行政が肩代わりするという仕組みもあります。 しかしこういったセーフティネットの存在は、あまり知られていないのが現状です。 大槻被告は「誰にも相談出来なかった」「母親には本当に申し訳ない」と裁判で話していました。 声をあげることは本人にとって難しいことだとは思いますが、事件になる前に助けを求める勇気も必要だと感じました。