泥沼化の様相を呈してきた。 北中米ワールドカップで起きたフランス代表のFWキリアン・エムバペと、パラグアイのセレステ・アマリージャ上院議員による人種差別を巡る騒動は、新たな局面を迎えている。主にチリやラテンアメリカのニュースを取り上げる『latercera』が、同議員の驚くべき発言を報じた。 事の発端は、決勝トーナメント1回戦でフランスがパラグアイを下した試合後に、アマリージャ議員がエムバペに対し、SNS上で人種差別的な暴言を浴びせたことだった。 「カメルーン人の植民地化された男で、フランス人のふりをしている。恨みを持ち、成金で、横柄で醜い」「試合中ずっと神経質で死ぬほど怖がっていた。チーム全体もそうで、1点も決められず、まぐれで勝っただけだ」「母乳の代わりにココナッツを吸い、聞いたことの中で最も教養あるものはチンパンジーだったのだろう」 この投稿にエムバペは即座に反応。「あなたは卑劣な女性で、その地位にふさわしくない」と断じ、「彼女のような人々に憎悪と人種差別を世界中に広める自由を決して許さない」と強い声明を発表。さらにフランスサッカー協会もエムバペを支持し、フランスの司法当局に提訴する意向を示した。 これに対し、アマリージャ議員が再び口を開いた。同メディアによると、彼女は記者会見で自身の発言が別の時代の価値観に基づくものだと釈明したという。 「私の発言は誰かに指示されたものではない。自分の党のためでもない」としたうえで、「彼は私に謝罪を求めていないし、私もする必要はない。書くべきことは書いた。投稿は不適切だった。それは62歳の人間が学んだこと。同性愛者が攻撃され、『クソ黒人』と言うのが最も普通だった社会で生きてきた。私は自分自身を解体して、新しいセレステ・アマリージャを構築している。辛抱してほしい。私は努力している」と述べた。 しかし、その直後、彼女は態度を硬化させ、エムバペに対して警告を発した。 「エムバペ、もし読めるなら私の手紙を読みなさい…気をつけろと言いたい。パラグアイを甘くみないで、ここではロナウジーニョを逮捕した。私に手を出さないほうがいい。ジェンダー暴力で訴えることができる。これは深刻なこと」 さらに、南米サッカー連盟のアレハンドロ・ドミンゲス会長と、パラグアイサッカー協会のロベルト・ハリソン会長に対しても「選手たちを守って。アルビロハ(パラグアイ代表の愛称)のおかげであなたたちは大儲けしているんだから」と付け加えた。 また、自国への謝罪は不要だとし、「私はパラグアイに謝罪する必要はない。良くも悪くも、これはパラグアイのためにやったことだから」と強調。一方で、「アフリカ系の子孫だけでなく、現在ベルサイユ広場にいるアフリカ人にも謝罪する」と、一部への謝罪の意も示した。 この発言に先立ち、アマリージャ議員はSNSでエムバペ宛ての公開書簡も発表している。そのなかで、エムバペが発した「手を汚さなければならないなら、そうしよう」というコメントに言及。「あなたの傲慢さに非常に腹が立った。(中略)我々は馬鹿ではない、それがパラグアイチームのことだと完全に理解した」と主張し、「フランス市民としての名誉にかけて私に謝罪しなさい。さもなければジェンダー暴力で法的措置を開始することができる」と締めくくっていた。 構成●サッカーダイジェストWeb編集部