6月1日、指定薬物エトミデート、通称「ゾンビたばこ」の“売人”が逮捕された。 「広島県警に逮捕されたのは滝口涼介被告(38)。彼がゾンビたばこを譲渡したというのが、元広島東洋カープの羽月隆太郎氏(26)です。羽月氏は2025年12月に同薬物を使用したとして翌月逮捕され、すでに拘禁刑1年、執行猶予3年の判決を受けています。 最近、生配信を始めた羽月氏ですが、『(広島の選手について)私を含め6人が同じ人物から(ゾンビたばこを)購入していました』などと暴露し、世間を騒がせています」(社会部記者) 滝口被告がいわゆるアテンダーとして、有名人らに女性をあてがっていたことなどは、すでに報じられてきた。今回、彼の“黒い経歴”を深掘りすると、球界との蜜月ぶりが複数の写真によって明らかになってきた――。 「じつは滝口が逮捕された後、こんな写真が仲間内にまわってきたんだよ」 こう語るのは、滝口被告をよく知るA氏だ。滝口被告とはビジネス上のやり取りがあったほか、多額の金銭を貸してもいたという。A氏が本誌に見せたのは、滝口被告を“大物たち”が囲む集合写真だった。 中央に写っているのは、黒い帽子を被った滝口被告。向かって左側にいるのが、「BreakingDown」のCOOや、世間を騒がせた「サナエトークン」への関与で知られる、溝口勇児氏(41)。そして2人を囲むのは、広島カープの選手だ。 写真左から羽月氏、その隣に広島の矢野雅哉(27)、溝口、滝口被告を挟んで、彼に肩を組まれているのが小園海斗(26)。そして、右端には、やはり広島の田村俊介(22)が写っている。 矢野は2021年、ドラフト6位で広島に入団し、開幕一軍デビュー。新井貴浩監督(49)に「(カープ)自慢の二遊間」と言わしめるほどの存在感を放った。2024年にはゴールデン・グラブ賞を受賞し、翌年には日本代表に初選出された。 一方、小園は2025年シーズンに首位打者と最高出塁率の2冠を獲得。2026年のWBCに大谷翔平らとともに出場し、年俸は1億5000万円(推定)と、球界を代表する選手として知られる。田村は2024年に日本代表に選出されたものの、2025年シーズンは二軍での調整が続き、今シーズンは一軍定着が期待されている。 「この写真が撮られたのは、2025年の5月2日。選手らのほかに写っているのは店員だから、仲間内での飲み会といったところだろう」(前出・A氏) この一枚からは滝口被告と広島の選手らとの親交の深さが窺えるが……。 「なかでも矢野は、滝口と特別に仲がよかったよ」 A氏はそう語る。本誌が滝口被告と矢野との周辺を取材すると、密接すぎる関係が垣間見えてきた。 ■「有名人との写真を周囲にばらまいて」滝口被告の“見栄っ張り”な一面 A氏が言うように、実際2人はプライベートで頻繁に会っていたようだ。矢野と滝口被告との親密ぶりを示す、もう一枚の写真がある。こちらは矢野、滝口被告、そして溝口氏のスリーショットだ。滝口被告の別の知人・B氏が語る。 「撮影日は不明だが、この写真の撮影場所は、東京・六本木にある芸能人御用達の会員制シーシャバーだ。このスリーショットが撮られた個室は二重扉になっていて、トイレに行くときもほかの客と出くわさないよう厳重に管理されているから、有名人からは重宝されている。滝口はこのバーの常連で、矢野と東京で会うときは、ほぼ毎回ここを使っていたよ」 こうした滝口被告と有名人との写真は、仲間内で頻繁に出まわっていたという。B氏が続ける。 「あいつは、有名人との深い関係を匂わせる写真をすぐ周囲にばらまくんだ。滝口がアテンドしていたのはおもに港区女子などだが、彼女たちにも見せびらかしていたみたいだね」 滝口被告の“見栄っ張り”な一面が感じられるエピソードだが、彼の人脈の広さが窺える写真はさらにもう一枚ある。滝口被告を知る実業家・C氏が本誌に提供してくれたのは、矢野がホテルのベッドで滝口被告と一緒に寝そべっている写真だ。 「これは2025年5月27~28日に、広島が富山県と石川県で巨人と連戦した際の写真。富山県のホテルの部屋で、手前に写る滝口が撮った写真ですが、奥のベッドで寝ているのが矢野。滝口も相当ヘロヘロな表情をしていますね(笑)。 滝口は広島の選手と仲がよく、遠征の際に選手と同じホテルに部屋を取って彼らを招くことがたまにありました。それにしても、同じ部屋で寝るような関係だったのは、矢野だけですよ。彼の枕元に置かれた赤い棒状のものは、ゾンビたばこに酷似しているようにも見えますが……」 “ゾンビたばこの売人”と広島の選手が写った写真の数々。本誌が入手した3枚の写真すべてに登場するのが矢野である。滝口被告とは、いったいどんな関係だったのか。前出・C氏が続ける。 「もともと矢野の大学の後輩が滝口と知り合いで、『野球好きの知り合いがいる』と言って、矢野と羽月の2人を引き合わせたそうです。交流が始まったのは、2024年の夏ごろだったと聞いています。 初めは滝口がビジネスの話や投資話などを持ちかけていましたが、彼は根っからの話し上手。きな臭い話をちらつかせながらも、矢野をがっちりとグリップしてしまいました」 実際に滝口被告は、周囲にこう吹聴していたようだ。 「滝口のアテンダーとしての“顧客”は、広島の選手をはじめとした現役アスリート。『プロ野球選手40人を抱えている』と、よく豪語していましたよ。力士にも知り合いがいたようです。時には、野球を絡めた講演会やイベントを開催することもありました」(前出・A氏) ■球団広報は本誌を“既読無視”、羽月氏は「確かに僕は、この場にいました」 その滝口被告のもうひとつの稼業が、企業への選手紹介業だったようだ。滝口被告が選手らを紹介したというのが、スポーツ用品ブランドのX社だった。同社の主要製品は、使用者のパフォーマンスを向上させるインソール。1組20万円以上もする高価なものだ。そのInstagramに頻繁に登場していたのが、広島の選手らだったのだ。ある球団関係者が語る。 「滝口がX社の代表者と選手たちを引き合わせ、いわば広告塔にしていたのです。この企業は、関東地方に本社を置いていますが、2025年末に広島の選手が登壇する“大忘年会”を広島で開き、多くのカープファンが参加していました。イベントには、矢野や羽月の姿もありました。2人はSNSにもよく登場しています」 だが、X社との関係は選手個人とのものだけではなかったようだ。“大忘年会”よりも前から、X社のブランド製品は“カープ公認”となっている。Instagramでは、広島東洋カープとの間で「アドバイザリー契約」を締結したことが報告されている。 「このとき、X社と広島を繋いだのもやはり滝口でした。つまり、球団と滝口とは浅からぬ繋がりがあったのです。さすがに指定薬物を譲渡するような人物だとは、球団も認識していなかったとは思いますが……」(同前) だが、羽月氏の逮捕で状況は一変。広島はX社との契約を解除した。 「球団からの通知で契約が解除されたといいます。滝口と羽月の関係性を知っていたからこその、迅速な対応だったということでしょう」(同前) 契約解除についてX社に問い合わせたが、期日までに回答はなかった。 次々と証言が集まる、滝口被告と矢野、そして広島カープとの関係。真相を知る人物たちは、これらについてどのように答えるのか。 矢野の“疑惑の関係”について羽月氏を直撃し、1枚めの写真(大人数で撮影されたもの)について真相を問いただした。 「確かにこの写真に写っているのは僕で、この場にいました」 一方“ベッド写真”については、奥の男性が矢野だという証言があることを伝えると、否定はせずに、 「ベッドの写真については、このとき僕は一緒じゃなかったので状況はわからないです。ただ、矢野さんは滝口とこんなに親しくしていたんですね」 と驚きを隠せない様子だった。 では、矢野と滝口被告との密接交際の様子について、球団はどのように答えるのか。本誌は広島の広報部に、3枚の写真についての見解を問い合わせようと対面取材を申し込んだ。しかし期日までに返答がなかったため、球団に問い合わせると、電話口の女性は「回答なしでお願いします」とそっけない返事。広報部は会議中だという。 そこで、球団広報担当者の携帯電話に直接連絡すると「部内で確認して折り返します」との返答。しかし、それ以降電話をかけても、電話にすら出ず、仕方なく「質問状を確認しているか」「ご回答の意思はあるのか」とショートメッセージで問い合わせたものの、メッセージは“開封済み”となるが返答はなかった。 広報担当者は現在でも、“既読無視”を続けている。 溝口氏が代表を務める会社にも質問状を送ったところ、以下の回答があった。 《当該人物と弊社代表・溝口は、大人数での会食等の場において数回同席したことがあるのみであり、個人的に親しい関係にはございません。また、いわゆる「ゾンビたばこ」の購入、所持、使用、譲渡といった違法行為に関与した事実は一切ございません。本件について、これ以上コメントする立場にはございません。》 羽月氏が逮捕されたのち、広島は球団に所属する全選手に聞き取り調査をしたと公表している。このときは、全選手に対して注意喚起をおこない、ゾンビたばこを使用した選手へ自己申告を呼びかけたが、誰も名乗り出なかったという。さらに、羽月氏が公判で「周囲に同じように吸っているカープの選手がいた」と証言したことから、鈴木清明球団本部長が、全選手を対象とした再調査に乗り出したと公表している。しかし、その結果はいまだ明らかにされていない。 だが、鈴木氏は各紙の取材に、こう語っているのだ。 「(再調査結果は)捜査機関ではないので公表しないかもしれない。できることはします」 球団のこうした対応について、プロサッカークラブの運営経験などがあり、スポーツマネジメントに詳しい松平浩一弁護士はこう語る。 「社会的立場のある野球選手が違法薬物を使用したという、羽月氏の逮捕はかなりセンセーショナルな事件だった。球団としては組織全体のリスク管理の観点から、供給ルートの実態や、ほかに関与した選手がいないかを含めて徹底的に調査すべき立場です。羽月氏の逮捕後の聞き取り調査は妥当だったと思いますが、2度めの調査をすると言った以上は、プロ野球球団という一般企業以上に公共性の高い組織として、その結果をしっかりとファンに説明する必要があると思います。 それに、今回新しい証言などが出てきたにもかかわらず、回答しようとしない球団の対応は、危機管理としては極めて不適切で、杜撰としか言いようがなく、責任感が欠如していると思います」 球界を震撼させた“薬物事件”。SNSでは、いまだに“疑惑の声”が飛び交っているが、カープファンを安心させるためにも、球団は“身の潔白”を正々堂々と公表すべきではないか。