「北朝鮮の核実験を研究する中国系米国人学者、中国に20カ月間拘禁中」

北朝鮮の核実験を検知する研究を行っていた50代の中国系米国人地震学者が、中国当局にスパイ容疑で20カ月以上も拘禁されていることが分かった。米国はトランプ大統領が今年5月に訪中した当時、中国の習近平国家主席に解放を求めるなど救命運動を行っていると、ロイター通信が13日(現地時間)に報じた。 ロイターによると、地震学者ヨウリン・チェン氏(54)は20カ月以上にわたり中国に拘禁された状態だ。中国の故郷の家族と会った後、マサチューセッツ州ボストンの自宅に戻ろうとした2024年11月5日、北京首都国際空港で中国国家安全省に逮捕された。中国生まれのチェン氏は2011年に米国の市民権を取得した。 逮捕されたチェン氏は昨年5月、中国でスパイ罪で起訴された状態だ。まだ裁判は始まっていないが、米国にいるチェン氏の家族は深く心配している。中国でスパイ罪は終身刑や死刑にもなる重罪だからだ。チェン氏の妻ルン・ウィパン氏はロイターに「(中国当局は)裁判を非公開で進め、必ず夫を有罪にするはず」と話した。 米国政府はチェン氏の解放に向けて動いている。ルビオ米国務長官は3月19日、チェン氏を「不当拘禁者」に指定した。中国に拘禁された10人余りの米国人のうち「不当拘禁者」に指定されたのはチェン氏が唯一という。トランプ大統領も5月、中国を訪問して習主席と首脳会談を行った際、チェン氏の解放を要請し、習主席は検討すると答えたと伝えられた。 チェン氏は北朝鮮の核実験を検知する研究を行ってきたことで有名だ。チェン氏は2020年12月、自然地震による波動と北朝鮮の核実験による波動を区別する方法を分析する論文を発表した。 ロイター通信によると、この論文は米国務省軍備管理局の支援を受けて作成されたもので、表紙には公開配布が承認された論文と記載されていたという。人権団体からは、中国当局が国家秘密法に基づき公開データを国家安全保障上の機密に分類し、チェン氏のように論文作成の過程で公開データを活用した人を潜在的な犯罪者にするという疑惑が提起されている。 米国では、中国が米国の追跡から自国の核実験を隠蔽するため、チェン氏の研究成果を利用しようとしているとの分析が出ている。トランプ政権は昨年2月、中国が2020年6月の地下核実験で衝撃波の強度を減衰させる手法を用いたと非難した。これに対し中国側は核実験を行った事実はないと否定した。 チェン氏の身柄をめぐる問題は、今年5月の首脳会談を通じて対立でなく戦略的安定を追求することで合意した米中関係で新たな葛藤要因になるという見方もある。9月に習主席が米国を答礼訪問するまでに措置が取られない場合、トランプ大統領がチェン氏の解放を議題にする可能性がある。北朝鮮の核実験検知を研究していた学者という点で北朝鮮を刺激する余地もある。 一方、チェン氏の健康状態は現在良くないという。妻のルンさんはチェン氏が糖尿病の薬など必要な医薬品を入手できず、このため体重が最大で18キロ減ったと主張した。拘禁初期には立ち上がったり運動したりすることも許されず、一日中硬い椅子に座っていたという。チェン氏はこれまで100回以上の取り調べを受け、米領事が面会する際にも中国当局が同席するため自由に会話ができない状況だと、ルン氏は伝えた。

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