三重県警松阪署(須川洋幸署長)はこのほど、三重県松阪市久保町の私立三重高校(神崎公宏校長、1505人)で、全校生徒に向けて特殊詐欺等被害防止のための演劇「ニセ警察詐欺」を上演して、若い世代への啓発活動を行った。劇では、犯人が巧みに不安をあおり、個人情報や現金をだまし取ろうとする様子を臨場感たっぷりに再現。生徒らは警察官を名乗る人物からの電話や、金銭を要求する手口や対処方法について理解を深めた。 県警では特殊詐欺等の被害防止を図るため、特殊詐欺等の手口をプロの役者による演劇を通して伝える事業を行っている。同署では高齢者だけでなく、若い世代にも詐欺被害が広がっていることから、高校生にも詐欺について知ってもらおうと同校で演劇による啓発を行うことにした。 この日は、急増する「ニセ警察詐欺」を題材として、鈴鹿市を拠点として活動する演劇集団「青の会」(小林聖祥代表、約30人)から3人の役者が出演。被害者役とニセ警察役などに扮(ふん)して、被害者がだまされて現金を振り込むまでの経緯を実話を基に分かりやすく紹介した。 演劇ではニセ警察官が、被害者宛ての郵便物の中に「薬物」と「多額の金」が入っており、被害者に「犯罪への関与が疑われている」と電話で伝える。ビデオ通話で「逮捕状」のようなものを見せられ、被害者はニセ警察官を本物だと信じた。ニセ警察官から「あなたが貯金している全てのお金のシリアルナンバーを調べる必要がある。確認するので、ネットバンクから全てのお金を入金するように」などと言われ、パニック状態の被害者は指示されるままに200万円を振り込みだまし取られる内容だった。 劇の後、同署署員からスマートフォンにかかってきた詐欺の可能性がある電話を遮断できる機能などを備える、警察庁推奨のスマホ向けアプリが紹介された。また、「本物の警察がSNSで連絡を取ったり、現金の振り込みを求めたりすることはない」などと呼び掛け、不審な電話やメッセージを受けた際は一人で判断せず、家族や警察に相談するよう訴えた。 演劇を鑑賞して、3年生の女子生徒は「臨場感があって面白かった。引っかからないと思うけど、改めて注意しようと思った」と話した。 本年の同署管内の特殊詐欺認知件数(6月末現在暫定)は56件(前年同期比3件増)、被害額は約1億6190万円(同約1330万円減)となっている。