橋上マジック炸裂 巨人・森田駿哉を勝ちパターン救援に抜擢 やる気を引き出す起用法が「強い組織」を生む

いろいろあったプロ野球の前半戦。中でも一番の衝撃は、交流戦開幕前に巨人で起きた阿部慎之助監督の突然の退任劇でした。 プロ野球の現役監督が現行犯逮捕されるという極めて異例の事態。ここで監督代行に指名されたのは、巨人の生え抜きではない橋上秀樹オフェンスチーフコーチでした。熱心なG党が耳を疑ったのも無理はありません。なぜならば監督代行とはいえ、巨人の指揮官は長年、球団OBが担うことが「不文律」になっていたからです。 そんな逆境からのスタートとなった橋上監督代行ですが、選手のモチベーションを大切にするマネジメントは評判がよく、風通しの良いチームに生まれ変わったとの声も聞こえてきます。何よりも交流戦で巨人はセ・リーグ6球団で唯一、勝ち越しとなる10勝6敗2分けの好成績を残しました。 巨人取材歴の長いスポーツ記者は言います。 「橋上監督代行は結果論で失敗をとがめません。むしろチャレンジを推奨し、失敗したとしても『次、成功するにはどうするか』と、前向きな『教材』として捉えます。巨人はスター監督が続いた宿命もあり、失敗した選手は『懲罰交代』や『懲罰降格』で厳しい姿勢を見せることが大切という風潮も過去にはありました。橋上監督代行にはそれがないので、選手が積極果敢なプレーを見せてくれているのです」 そして、選手の奮闘には「以心伝心」ではなく、きちんと「言葉」でねぎらうという点も、見逃せません。7月20日の広島戦(東京ドーム)後の監督代行インタビューでは、番記者がうなるシーンがありました。 「インタビュアーが『今日の1勝で9連戦の勝ち越しが決まりました。そしてこのカード初戦を取りました。改めてこの1勝、いかがでしょう』と、まとめの質問をしたところ、橋上監督代行は『今日は大事なところで、森田投手が行きました。彼のピッチングも非常に大きなポイントだと思いますし、彼がああいうところ(勝ちパターン)で登板できるようになれば、ブルペン陣の幅もさらに広がるなと思いますんで、これもさらに期待したいと思います』と自ら森田の力投に言及し、称賛したのです」 そして、こう続けます。 「森田はホンダ鈴鹿から2023年ドラフト2位でプロ入りも、昨年3勝したのみとここまで目立った実績を残せていないんです。そんな29歳に橋上監督代行は『中継ぎの大事な場面でよくやったぞ。次も頼むぞ』と公の場でエールを送ったわけです。ここまで先発でイマイチ結果を残せていなかった森田は、意気に感じたことでしょう。この点からも、橋上監督代行は相当な気配り名人だと言えますよね」 先入観にとらわれることなく、適材適所を探して果敢に起用するその姿勢。そして結果を出した選手へ、称賛という名の熱いフォローができる。「強い組織」のリーダー像としても、橋上監督代行はなかなかの「策士」とも言えるでしょう。 セ・リーグの優勝争いは現状、阪神と巨人の2強に絞られています。チームのやる気をいかに引き出すか、そのマネジメント術にも注目が集まりそうです。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]

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