「音楽に国境はない」と、さまざまな国ゆかりの音楽や踊りを楽しむ「多文化ジョイントコンサート」が26日、佐賀県伊万里市で開かれた。市内では1年前、ベトナム人技能実習生が逮捕された事件が波紋を広げた一方、外国出身の人も日本人も互いに理解し合おうという地道な取り組みが一歩一歩進められている。 コンサートは、日本語教室を開いているボランティアグループ「日本語教室いまり」が2018年に初開催。この日は、日本を含め、インドネシア、ネパール、ベトナムなど8カ国の計約100人が集まった。 箏(こと)の演奏や太極拳の演武があった後、市内在住の外国人も母国の音楽を披露したり、日本語で歌ったりした。 インドネシア出身のアニンダ・フィトラ・アイシャーさん(22)ら6人は、故郷で有名という五輪真弓さんの曲「心の友」とインドネシアの歌を合唱した。 「皆さんが集まることで、外国人と日本人が生活の中で仲良くできる。このイベントがずっとありますように」と望んだ。 日本語教室の代表で僧侶の中村章さん(67)もギターを弾きながら熱唱。最後は、出演者らがステージ付近に集まり、「カントリー・ロード」「明日があるさ」などを合唱し、会場は一体となって盛り上がった。 自身もステージに立ったネパール出身のサナム・ライさん(25)は「みなさんと一緒に歌を歌って、とても楽しかった」と笑顔を見せた。 日本語教室は13年に発足。外国人に日本語を教えるだけではなく、文化交流や自転車のルールを伝える講習などに取り組んできた。中村さんは「外国人も同じ生活者として、一緒に住みやすい伊万里をつくっていこうという思い。言葉や文化の違いといった外国人にとっての壁をなくしていくことが、外国人だけではなく、日本人のためにもなる」と語る。 「外国人が増えると、治安が悪くなるのでは」という不安やゴミ出しや騒音といった生活のトラブルに対し、中村さんは「対話が一番大切。外からなんとなく不安に思うんじゃなくて、対話をしていくとお互いに分かり合えるんじゃないか」と指摘する。 締めのあいさつではこう呼びかけた。「こうして外国人の方々も日本語をしゃべれる。どうぞ見かけたら気軽に声をかけてあげてください」(岡田将平)