小学館は4日、漫画アプリ「マンガワン」で、性加害で逮捕歴のある漫画家を別名義で新連載の原作に起用していた問題を受け、経営責任の明確化と再発防止策を公表した。代表取締役社長の報酬を3か月間50%自主返納するなど役員報酬を減額するほか、人権委員会の新設や外部クリエイターの起用基準見直しなど、組織改革を進める。 今年2月27日、「マンガワン」編集部は、漫画「常人仮面」の原作者・一路一氏は、2020年に児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の罪で罰金30万円の略式命令を受け、当時連載中だった「堕天作戦」が休載になった山本章一氏と同一人物であると公表。22年に「一路一」のペンネームで新連載「常人仮面」がスタートしたことについて「原作者の起用判断および確認体制に問題があった」と認め、「常人仮面」の配信中止と単行本の出荷停止を発表していた。 今月3日には第三者委員会による調査報告書が公開され、一連の問題について「小学館は、山本氏との取引の継続又は再開その他の対応が被害女性の人権に及ぼし得る負の影響について、企業としての人権尊重責任を果たすために必要な調査・検証を十分に行っていたとはいえない」と指摘。 続けて「調査を通じて明らかとなったとおり、小学館においては、残念ながら、人権侵害の被害者の視点から問題を捉える意識、人権侵害への助長又は加担を防止する観点、編集者と作家その他の取引先との間に生じ得る権力の不均衡に内在する人権リスクに対する認識、さらには人権リスクを含む重要リスクについて組織的に判断し、管理監督するための体制が必ずしも十分ではなかった」と結論づけた。