東京都世田谷区で4月、70代男性が車にはねられ死亡する事故があり、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)容疑で現行犯逮捕後に釈放された無職の男(34)=中野区=が、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されていたことが6日、分かった。 病院で処方された医療器具も独断で使用を中断していたという。警視庁交通捜査課が明らかにした。 同課によると、男は「(運転開始時から)眠気を感じていた」と供述。SASの影響で正常な運転ができない状態で死亡事故を起こした場合、同法の危険運転致死罪が適用される可能性があり、今後、SASを理由に同罪で起訴されれば全国初という。 事故は4月3日午前6時20分ごろ、世田谷区代田の交差点で発生。横断歩道を渡っていた男性が、赤信号を無視して進入してきた男の車にはねられ死亡した。 男は当時、配送の仕事中で、現行犯逮捕された際「事故の記憶がない」と供述。その後、釈放された。 捜査の過程で、男が昨年3月にSASと診断され、鼻などに装着したマスクから空気を送り込んで気道を確保する医療器具を処方されたが、同11月以降は使っていなかったことが判明。運転を続けた理由について「普段から眠気がある状態にもかかわらず、収入を得るために仕事を続けていた」と話した。 死亡事故前の今年3月には、タクシーへの追突事故など2件の事故も起こしていたという。