「エンゼル税制」悪用の3.6億円脱税事件 会社役員を起訴

スタートアップ企業への投資で税制優遇が受けられる「エンゼル税制」を悪用し、所得税約3億6700万円を脱税したとして、横浜地検特別刑事部は12日、横浜市旭区の会社役員、金本重徳容疑者(55)を所得税法違反(過少申告)で起訴した。別の脱税事件で起訴されている会社役員、中野爵喜(たかゆき)被告(42)も金本被告と共謀したとして追起訴した。 起訴状によると、金本、中野両被告は他の共犯者と共謀し、2023年分の所得計約22億7600万円を隠し、所得税約3億6700万円の支払いを免れたとされる。地検は2人の認否を明らかにしていない。 エンゼル税制は、未上場で一定の要件を満たした中小企業に投資すれば、所得の控除が受けられる。制度を悪用した脱税事件の起訴は初めて。地検と東京国税局査察部が合同捜査し、7月に金本被告を逮捕していた。 関係者によると、金本被告は23年、自身が社長を務めていた焼き肉チェーン運営会社の株を別の会社に売却。売却益約20億円を中野被告らが関係するスタートアップ企業に投資し、エンゼル税制の適用を受けた。しかし、スタートアップ側で資金は使われず、近接した時期に金本被告の関係する法人に還流した疑いが浮上。地検と査察部は投資に実体がないと判断したとみられる。【佐藤緑平、矢野大輝】

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