広末涼子よりもっと深刻…「認知症親を捨てる」「無料入院ねだる」医師が見た救急外来"モンスター患者"の生態

看護師に対する傷害の容疑で逮捕・送検された俳優の広末涼子(4月16日に釈放)。医師の筒井冨美さんは「病院内には広末さん以上に医療関係者に危害を与えたり、身勝手な行動をしたりするモンスター患者がたくさんいる」という――。 ■広末涼子さん逮捕の衝撃 2025年4月8日、俳優で歌手の広末涼子さんが逮捕・送検された(16日に釈放)。高速道路で自身が運転する乗用車が大型トレーラーに追突し、静岡県内の病院に救急搬送されて治療を待つ間に看護師を足で蹴るなどの暴行を加えた。 傷害容疑で現行犯逮捕された当初、身分証明書を携帯しておらず、「自称・広末涼子」と報じられたが、まもなく所属事務所より確認と謝罪が発表された。任意の薬物検査では覚醒剤などの違法薬物は検出されず、家宅捜索でも違法薬物は発見されなかったようだ。 10代の頃からCM・歌・映画と活躍し、早稲田大学に推薦入学した後も精力的に芸能活動を行なった(同大学は中退)。その後も2度の結婚と離婚、2023年には有名シェフとの不倫報道と公私共に話題の多いが、今回の病院での騒動も「お騒がせ女優」としての黒歴史を積み重ねてしまった形だ。 ■医療関係者の驚き 医療関係者の間でも「広末逮捕」は大いに話題になった。 救急外来で病院職員に「足で蹴る」「腕を引っかく」「暴言を吐く」のような暴力行為をする患者は少なくはない。「噛まれる」「唾を吐かれる」「殴られてアザができる」レベルの暴行も珍しくはないが、それをマスコミが報じることはまずない。ところが、今回は警察が介入して逮捕にいたった。 同じ「サービス業」でも客室乗務員の場合には、コロナ禍の2020年に航空機内でマスク着用を拒否して大声で威圧し、乗務員の腕を掴んだ男が逮捕され「懲役2年、執行猶予4年」の判決を受けた。2024年にも機内で飲酒し騒いだ挙句に客室乗務員の腕を手の甲で殴った男性が逮捕されている。 一般社会ならば問題になるレベルの暴力や暴言でも、病院内で患者が相手だと「受け止めるのも仕事のうち」「殴られるのはむしろ患者さんに寄り添っていなかったこちらの問題」と、病院職員の配慮不足として処理されることが多い。ゆえに、「広末逮捕」というより「救急外来で暴れる患者を逮捕」という意味で驚かれたのだ。 医療関係者のSNSでは「看護師も患者に蹴られたら警察呼んでいいんだな」といった驚きの声が少なくない。「有名人だから見せしめにされたのでは」という見方もあるが、「自称・広末涼子」のような当初の報道から考えると、逮捕時には警察は有名女優であることは意識せず、純粋に傷害事件として現行犯逮捕したと考えられる。 ただし、本件は救急外来における迷惑度としては高いレベルでない。正直な話、院内にはもっと暴れ回るモンスターがウヨウヨしている。以下に救急外来を悩ます患者たち3タイプをご紹介したい。これは筆者の個人的な考えだが、医療関係者の中では暗黙の了解となっていることを初めにお断りしておきたい。

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