島根県隠岐の島町に住む60代男性が警察官を装う電話で580万円を騙し取られていたことが21日分かりました。 島根県警隠岐の島警察署によりますと、今月11日、男性の家の固定電話に総務省を名乗る男から電話があり「あなたの電話は被害届が出ており、使えなくなる。問い合わせは『1』 を押してください」と指示しました。 高齢者世帯が多いためか、隠岐の島町内ではまず家の固定電話に詐欺の電話がかかって来たという相談が多いということです。 男性が1を押すと、愛媛県警の金本(かねもと)を名乗る男が電話を代わり「固定電話だと声が遠いので携帯電話でやり取りをする」として、SNSのLINEアプリを追加するように指示しました。 アプリのビデオ通話で金本は警察官の制服姿だったため、男性は相手が本物の警察官だと信じたということです。固定電話からSNSでの連絡に切り替えさせたのは、これが狙いだったと見られます。 その後、男性の携帯電話に検察官の神谷(かみや)を名乗る男からも連絡があり、「捜査している詐欺の犯人が、あなたにお金を直接渡したと言っているので、あなたに逮捕状が出ている。あなたの口座のお金を送ってもらい、こちらで紙幣番号等を調べると、あなたの潔白を証明することができる」などと現金を振り込むよう指示しました。 このため男性は今月14日に金融機関の窓口から300万円とATMから200万円。翌15日にATMから80万円を、指定されたそれぞれ別々の個人名義の口座に振り込みました。 金本からこの日に「身の潔白が証明されたのでお金を返す」と電話があったということですが、その後連絡がつかなくなり、不審に思った男性が隠岐の島警察署に相談して詐欺の被害が分かりました。 警察では、警察や検察がビデオ通話で取り調べしたり、捜査で現金を振り込むよう指示したりすることはなく、「あなたが捜査対象になっている」などの電話があったら通話を切り、最寄りの警察署に相談するよう求めています。