日本各地でやりたい放題…海外から押し寄せる「迷惑系インフルエンサー」が起こした"もう一つの観光公害"

日本を訪れる外国人観光客が増えている。2024年には約3687万人で過去最高を更新。オーバーツーリズムやマナー違反の問題だけでなく、迷惑行為を繰り返す外国人インフルエンサーが物議を醸している。こうした日本の現状に、海外メディアも注目している――。 ■「富士山ローソン」が象徴する地元の戸惑い 観光客が対象地域の許容量を超えて押し寄せることで、「オーバーツーリズム」は起こる。日本では特に京都や富士山周辺などの人気観光地を中心に、現地の人々の生活環境が破壊される問題が深刻化している。 こうした現象は、海外メディアでも取りあげられている。AP通信は、富士山の「目隠し幕」騒動を紹介。「インスタ映え」「TikTok映え」で一躍有名となった山梨県富士河口湖町の「富士山ローソン」の前に、車道にあふれる旅行客の写真撮影スポットを封じようと、黒い遮蔽スクリーンが設置された。高さ2.5メートル、幅20メートルの幕で、コンビニの背後に富士山のそびえる構図を目隠ししようというねらいだ。 また、米フォックス・ニュースは、京都・祇園で、観光客のマナー違反や通りの混雑に対する苦情が相次ぎ、私有地の路地への観光客立ち入り禁止措置が取られた件を伝えている。 昨年11月には、東京の明治神宮で65歳のアメリカ人男性が神社の鳥居に爪で文字を刻み、警察に逮捕された。オーストラリアのABC放送が日本で繰り返される迷惑行為として報じている。男性は観光目的で家族と一緒に来日したばかりで、刻んだ5文字は一家の姓を表すものだったという。 住民は迷惑顔だ。ニューヨーク・タイムズ紙は京都で暮らす人々の声を取り上げている。地元のイベント主催者は同紙に、「毎日がお祭り騒ぎのよう。私たちは静かに日常生活を送ることもできない」と話す。京都のタクシー運転手は、「日本人がこの地を訪れると、観光客があふれかえり、まるで外国にいるような気分。もう京都の面影はないですね」と嘆く。 ■「日本は俺のものだ」米配信者が及んだ傲慢行為 羽目を外すだけならまだしも、積極的に日本や日本人を冒涜することで注目を集めようとする者たちもいる。「迷惑系」と呼ばれるストリーマー(配信者)らだ。 アメリカ人ストリーマー「アイス・ポセイドン」こと本名ポール・デニーノ氏(30)は今春、日本での100日間24時間ライブ配信を実行。数々の迷惑行動が大きな波紋を広げ、海外でも取りあげられた。 香港英字紙のサウス・チャイナ・モーニング・ポストは、デニーノ氏ら一行が日本の電車内で横になったり、乗客の前でわざと偽の喧嘩を演じたりと、数々の迷惑行為に及んだと指摘している。デニーノ氏はまた、果樹園から果物を盗むなど違法行為も堂々と配信し、配信サイト「Kick」で20万4000人のフォロワーを抱える自身のチャンネルで配信した。

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