東京都文京区の東京メトロ南北線東大前駅で男性客が刃物で切りつけられた事件で、殺人未遂容疑で逮捕された住所・職業不詳、戸田佳孝容疑者(43)が被害男性を複数回切りつけたとみられることが捜査関係者への取材で判明した。警視庁は戸田容疑者に強い殺意があったとみて調べている。 事件は7日午後6時55分ごろ、文京区向丘1の同駅構内で発生。大学生の男性(20)が背後から包丁(刃渡り約16センチ)で首の後ろや額、左手を切りつけられた。 捜査関係者によると、戸田容疑者は、ホームの最前列にいた男性が電車に乗り込む際に、後ろから切りつけたとみられる。その後、電車内に逃げ込んだ男性を反対側のドア付近まで追いかけ、男性が振り返ったところで切りつけ、倒れ込んだ男性をさらに切りつけたとみられるという。この間の時間は30~40秒ほどだった。 車内に居合わせた警察官やネパール国籍の30代男性が戸田容疑者の身柄を取り押さえた。その際に30代男性は指にけがをした。 戸田容疑者は取り調べに黙秘している。被害男性は戸田容疑者と面識がないと話しているという。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅】