北松佐々町発注の公共工事を巡る官製談合事件を受け、町長の職務代理者を務める中村義治副町長(66)が辞職願を提出し、町議会は9日の臨時会で全会一致で辞任に同意した。同町では古庄剛前町長の辞職に伴う町長選が6月10日告示、同15日投開票で実施されるが、それまで町長、副町長が不在となる異例の事態となった。 辞任は9日付で理由を「一身上の都合」としている。週明けに記者会見を予定しており、関係者によると町長選への出馬を表明するとみられるという。中村氏はこれまで、町長選への出馬について報道陣に「考えていない」と繰り返し、7日にあった新庁舎の開庁式では「新しい町長が決まるまで職務代理者として職務を全うしたい」と語っていた。 中村氏が辞任したことで10日から大平弘明総務理事が職務代理者に就く。町長選には元町議と元町職員の2人が立候補を表明している。 官製談合事件を巡っては、古庄前町長が昨年実施された2件の指名競争入札で業者と共謀。いずれも最低制限価格に近い金額を漏らし、落札させたとして逮捕、追起訴され、4月25日付で辞職した。