「世界一貧しい大統領」ムヒカ氏、末期がんで緩和ケア 妻が明かす

【AFP=時事】「世界で最も貧しい大統領」として知られる南米ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領(89)が、末期がんと診断され、緩和ケアを受けていることが明らかになった。妻で元副大統領のルシア・トポランスキー氏が、12日に放送されたラジオインタビューで語った。ムヒカ氏は現在、「可能な限り」快適な終末期を過ごしているという。 ムヒカ氏は1月、前年に食道に見つかったがんが進行し、治療を中止したことを公表していた。 1960〜70年代、ムヒカ氏は左翼ゲリラ組織「ツパマロス民族解放運動(MLN-T)」の一員として武装闘争に関わり、逮捕されて通算12年間、うち多くを独房で過ごした。 2010年から2015年まで大統領を務めた際には、給与の大半を寄付し、移動には古いフォルクスワーゲン「ビートル」に乗るなど、質素な生活ぶりが注目され、「世界一貧しい大統領」と称された。消費主義に対する一貫した批判姿勢も、国際的な支持を集めた。 ムヒカ政権下のウルグアイは、数々の進歩的な政策を実現。中絶や同性婚を合法化したほか、2013年には世界で初めて娯楽用大麻の使用を合法化した国となった。 妻のトポランスキー氏は、かつてゲリラ時代を共にした同志でもあり、「40年以上を彼と共に生きてきたし、最後までそうするつもりだと約束している」と語った。 ムヒカ氏の政治路線を継ぐヤマンドゥ・オルシ大統領は11日、国民に対しプライバシーの尊重を呼びかけ、「人生のあらゆる段階において、尊厳が何より大切だということを、私たちは皆で守らなければならない。彼を取り囲むのではなく、静かに見守るべきだ」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News

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