日本サッカー協会は23日、26年W杯北中米大会アジア最終予選2試合(6月5日オーストラリア戦、同10日インドネシア戦)に臨む日本代表メンバーを発表した。MF佐野海舟(24=マインツ)は昨年1~2月のアジア杯以来の代表復帰となった。 佐野海の代表復帰に際し、山本昌邦ナショナルダイレクターは「あらゆる差別や暴力、ハラスメントは一切許容しない」とした上で「相手の方に対して、謝罪したことを確認している」 「本人が深く反省している」「起訴処分という判断がなされており、刑事事件としては罪に問われずに終了している」との観点から選出に踏み切ったと明かした。 また、森保一監督は「彼は多くの方々に迷惑をかけた。彼のことをこれまで見てきたが、彼の言動を見ても深く反省していると強く感じた。その上で彼が今ドイツでプレーしている中で真摯に競技に向き合って社会に貢献する気持ちを持っている」と、招集理由を説明した。 ドイツで充実のシーズンを過ごしたボランチが、再び日の丸を背負うことになった。佐野海は昨夏、鹿島からマインツに完全移籍。ボール奪取力と豊富な運動量を武器に、中盤で不動の地位を築いた。全34試合に先発出場し、第4節以降はフル出場を継続。6位に躍進したチームを支えた。総走行距離393・7キロはリーグ最多。デュエル勝利数369回は同4位の数字で、欧州初挑戦ながらピカイチの存在感を放った。 昨年7月に不同意性交容疑で逮捕され、後に不起訴処分に。W杯出場が決まり、前回活動からメンバーを大幅に入れ替えたタイミングでの代表復帰となった。 実弟の佐野航大(21=NECナイメヘン)もA代表初招集。今季はオランダ1部で25試合3得点2アシストだった。 ◇佐野 海舟(さの・かいしゅう)2000年(平12)12月30日生まれ、岡山県津山市出身の24歳。米子北高(鳥取)から19年に当時J2の町田入り。鹿島を経て昨年7月にマインツに完全移籍。日本代表は23年11月に初招集され、同月のW杯アジア2次予選ミャンマー戦でデビュー。昨年1月のアジア杯に出場した。1メートル76、67キロ。利き足は右。