森保監督、代表復帰の佐野海舟に言及「再チャレンジする道を」…ブンデスで磨かれた“ボール奪取力”に期待

6月のFIFAワールドカップ26アジア最終予選に臨む日本代表のメンバーが23日に発表された。 6戦全勝で勝ち抜いた2次予選に続き、“難敵”揃いの最終予選でも安定したパフォーマンスを披露している日本代表。ここまで8試合を消化しての戦績は6勝2分無敗で、3月20日に行われたバーレーン戦に2-0で勝利したことにより、8大会連続8回目の本大会出場が確定した。6月にはオーストラリア代表、インドネシア代表との2連戦が控えており、約1年後に迫った本大会に向けての貴重な実戦機会となる。 森保一監督は選手の大幅な入れ替えを敢行し、鈴木淳之介(湘南ベルマーレ)、平河悠(ブリストル・シティ)、熊坂光希(柏レイソル)、三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム/オランダ)、佐野航大(NEC/オランダ)、俵積田晃太(FC東京)、佐藤龍之介(ファジアーノ岡山)の7名を初招集。また、昨年7月に30代女性に対する不同意性交の疑いで逮捕されたことが報じられた佐野海舟(マインツ/ドイツ)が久々の復帰を果たした。 山本昌邦氏ナショナルチームディレクターは「JFA(日本サッカー協会)のスタンスはサッカー界としてあらゆる差別、暴力、ハラスメントを一切許容しないということです。引き続きあらゆる差別、暴力、ハラスメントに厳正な姿勢で臨んで参ります。選手や指導者、そして審判などの関係者に啓発活動を行うとともに、コンプライアンス教育にもより一層の力を注いで参りたいと思っています」と前置きしつつ、佐野の選出理由について次のように説明した。 「この度、佐野選手が日本代表に選出されることになりました。JFAとしては次の理由から選出しております。一つ目が相手の方に対して話し合いをし、謝罪したことを確認しております。二つ目は本人が深く反省していること。最後に不起訴処分ということが検察から出ており、刑事事件としては罪に問われずに終了していること。この観点で選出しました」 また、森保監督は「今回の佐野海舟の事案に関しては多くの方々に迷惑をかけたと思っています。そこで彼のことをこれまで見てきましたが、山本さんが仰った通り、私自身もコンタクトを取りましたし、彼の言動を見ても深く反省しているところを強く感じました」と言及した上で、次のように言葉を続けている。 「彼が今ドイツでプレーしている中で、真摯に競技に向き合い、社会に貢献するという強い気持ちを持ってプレーしていることもあり、我々としてもまたチームに迎え入れて社会に貢献する、日本代表の一員として戦っても良いのではないかという判断をしました。私自身も招集する、しないをずっと考えてきましたし、協会の方ともいろいろな話をしましたが、1シーズンを見た中で決めさせていただきました」 「個人的にミスを犯したことは佐野海舟には言えるかもしれませんが、チームの一員ということを家族と考えた時、そして私が指導者として一人の選手と向き合う中、ミスを犯した選手を社会やサッカー界から葬り去るのかということに関しては、再チャレンジする道を家族としても与えることの方がいいのではないかということで、判断させていただきました」 そんな佐野は昨年夏に加入したマインツでブンデスリーガ全試合に先発出場。シーズンを通しての走行距離でリーグ1位のスタッツを記録するなど、屈強な選手が集うドイツで躍動した。森保監督は「インテンシティーが高い中で、ボールを奪い取る能力は磨きがかかっていると思いますし、難しい状況でもボールを奪って攻撃に繋げるという部分は代表でも生かしてもらいたいと思っています」と直近のパフォーマンスを評価し、次のように期待を語った。 「サイズは大きいとは言えないですが、ブンデスリーガで190センチ前後の選手と渡り合うシーンも多い中、相手にやらせない、エアバトルで勝つという部分では、日本人でも世界の大柄な選手、フィジカル的に強い選手とも戦えるということを体現してくれていると思います。プレーの機会があればチームに還元してもらい、多くの日本人選手に自信と勇気をもたらしてくれたらと思います」

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