中野市4人殺害事件から25日で2年…背景に浮かぶ「深い孤独感」 孤独を抱える若者を支援する団体の活動を通じて考える 「人とのつながりや働く力を育む」ための実践的な取り組みとは 長野

長野県中野市で2023年に起きた4人の殺害事件。事件の背景に浮かぶのは、青木正憲被告の深い孤独感です。若者の孤立と向き合ってきた県内の団体や当事者たちの声を聞きました。 中野市でおととし、女性2人と警察官2人が殺害された事件。 「独りぼっちと馬鹿にされていると思った」 逮捕された直後、犯行の動機をこう語っていた青木政憲被告。近所の人などによりますと、青木被告は1年間の浪人生活を経て、東京の大学へ進んだものの中退。 周囲と馴染むことができず、地元に帰ってきてからも、人との関わりはほとんどなかったといいます。 学び舎めぶき代表 永井佐千子さん:「これ終わってからお昼届ける予定なので、少し多めに作っておいて」 長野市にある「学び舎めぶき」の代表 永井佐千子さん。 不登校の子どもや、社会にうまくなじめない人など引きこもっている若者たちの声に耳を傾けています。 学び舎めぶき代表 永井佐千子さん:「一番多いのは20代前後の方、高校卒業した後に、なかなか仕事に就けず、社会に出て行けなくて引きこもってしまっているという方の相談がすごく多い」 内閣府が行った調査では、「しばしば孤独を感じる」、あるいは「常に孤独感じる」と、答えた人の割合で最も高かった世代は20代。続いて、30代となっています。 およそ5人に2人が孤独を抱えることがあるとしていて、特に若い世代にその傾向がみられます。 現在、「めぶき」には北信地方のおよそ100人の若者が登録しています。 永井さんは、自立や就労を支援していて、”人とのつながり”や”働く力”を育もうと、実践的な取り組みを行っています。 永井 佐千子さん:「走り出してから何か変わった?」 優(ゆう)さん(仮名):「精神的な状態が良くなった」 3年前から「めぶき」に通っている長野市の優さん(仮名)は25歳。 優さん:「めぶきに来るまで孤独感を感じていました」 優さんが孤独を感じるきっかけとなったのは、小学生の頃に受けた言葉の暴力でした。 優さん:「きもいとか死ねとか言われたんですが、自分の感情にふたをして、抑えなきゃと思って(生きて)きた」 中学以降も悪口や偏見にさらされ、次第に人との距離を置くように。 優さん:「人と話すのも苦手だったし、いろいろなトラウマがあったからそういうものから避けたいという思い。中学のときに暴れてしまって、母が学校にたくさん呼び出されてしまって、好きだった仕事を辞めざるを得なくなってしまったんです」 人と向き合うことに恐怖を感じ、孤独は外への攻撃的な態度となってしまうこともあったといいます。 同じく「めぶき」に通う22歳の渡邉さん。渡邉さんも同じように、過去に誹謗中傷を受け、心に傷を負いました。

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