「ママがパパに殴られて血が流れているの。お巡りさん、助けてください」――サンパウロ州内陸部のブラガンサ・パウリスタ市で7日（土）、わずか6歳の少女が勇気を振り絞って190番通報し、父親による家庭内暴力から母親を救出するという事件が発生した。駆けつけた警察により、父親は現行犯逮捕されたと10日付G1などが報じた。 事件は同市内のパルケ・ブラジル地区にある一家の自宅内で発生した。暴力を目撃した6歳の少女が警察に通報し、泣きながら状況を説明した。少女はまだ幼く、住所さえ正確に伝えられないほどだったが、母親を助けるために必死だった。 通報を受けて出動した軍警察官が現場に到着すると、通報者本人である少女が出迎えたという。警官が屋内に入ったところ、42歳の女性が負傷し出血しているのを発見。女性は警察に対し、同居するパートナーから鼻と頭部に複数回の殴打を受けたと証言し、こうした暴力は今回が初めてではないことも明らかにした。 加害者である46歳の男は、当初、警察の介入を拒否したが、娘の説得により受け入れたという。その場で家庭内暴力および傷害の容疑で現行犯逮捕され、近隣のピラカイア市にある公営拘置所へと移送された。 被害届には、「子どもによる目撃証言および通報を含む供述は、被疑者による暴力的行為の重大性と継続性を裏付けるものである」と記されている。 サンパウロ州司法裁判所によれば、男は翌8日に勾留審問に出廷し、現行犯逮捕は予防拘禁へと切り替えられた。事件は引き続きブラガンサ・パウリスタ市の市民警察により捜査が進められている。 事件を担当するバカロ警部は、190番通報はすべて精査され、「通報者の年齢や背景を問わず、わずかでも信ぴょう性が認められれば、迅速に対応する」と述べた。