かたくなだった尹前大統領「出頭要求に応じる」…逮捕状による圧迫通じたか

裁判所が特殊公務執行妨害などの容疑で請求された尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の逮捕状を棄却したことで、チョ・ウンソク特別検検察官(特検)の率いる内乱特検チームの速攻にはひとまずブレーキがかかった。特検チームは尹前大統領に今月28日土曜日に出頭するよう通知し、尹前大統領も出頭する考えを明らかにした。 特検チームは25日、「裁判所は昨日請求した尹錫悦前大統領の逮捕状を『被疑者は特検に出頭を要求されたらそれに応じることを表明している』との理由で棄却」したと明らかにした。続けて「尹前大統領および弁護人に、6月28日午前9時に出頭を要求した」とし、「出頭要求に応じなかったら逮捕状の請求を検討する」と補足した。 尹前大統領は昨年1月3日、高位公職者犯罪捜査処による逮捕状執行を阻止している。その後、軍の司令官らの盗聴防止機能付き電話(秘話フォン)の情報を昨年12月7日に削除するよう指示した疑いなどで立件されたが、警察の3回にわたる出頭要求に応じていない。事件を引き継いだ特検チームは、出頭要求に応じないという尹前大統領の意思は明確だとして、直ちに逮捕状を取って強制捜査に着手しようとしたが、裁判所は令状を棄却した。尹前大統領側が「出頭に積極的に応じる」として特検捜査に協力する考えを表明したことが奏効したものとみられる。 法曹界では、特検チームがまず尹前大統領の逮捕状を請求したのは、やや急ぎ過ぎた感があると分析されている。検事長を務めた経験を持つある弁護士は、「逮捕状請求はやや性急な面があるようにみえる。簡単に逮捕状が発行される容疑でもない」と述べた。 ただし逮捕状の請求は、尹前大統領に特検の調査に協力させるカードとしては有効に作用したとみられる。パク・チヨン特検補はこの日、記者団に対し、「出頭を要求した。応じない場合、(直ちに)逮捕状を請求するかどうかを検討する」と述べた。ある現職検事は「このかん様々な捜査機関の調査を拒否してきた尹前大統領を、出頭調査に応じざるを得ないようにしたという点で、逮捕状請求には意味がある」と語った。 尹前大統領の弁護団は「逮捕状が棄却されたことを告げつつ出頭の日付を指定してメディアに公示するというのは特検にふさわしくなく、あまりにも拙劣な行い」だと反発しながらも、「尹前大統領は特検の出頭要請に堂々と応じる予定」だと述べた。 キム・ジウン、キム・ガユン記者 (お問い合わせ [email protected] )

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