比副大統領、父の保釈訴え海外行脚 「義務果たさず」と批判

【マニラ時事】フィリピンのドゥテルテ前大統領の長女、サラ副大統領が5月以降、外国への私的訪問を繰り返し、国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状に基づきオランダ・ハーグで拘束中の父の保釈を支持するよう各地の同胞らに訴えている。 ドゥテルテ氏は、大統領在任中などに麻薬密売人の超法規的殺害を命じたことが「人道に対する罪」に当たるとして、3月に逮捕された。 サラ氏は今月中旬、クアラルンプールで出稼ぎのフィリピン人らと面会し、「父は釈放されるべきだ」と強調。下旬にはオーストラリアのメルボルンで集会を開き、「拘束後、父は痩せ細ってしまった。第三国への出国を認められる健康上の理由がある」と語気を強めた。5月末にはハーグも訪れ、父を見舞うとともにICC前で抗議集会を開催した。 度重なる私的な渡航を受け、大統領府は「国民に対する(副大統領としての)義務を果たしていない」と指摘。人権団体は「なぜ個人的な動機に基づく渡航が許されるのか。マルコス大統領は呼び戻すべきだった」と批判した。これに対し、サラ氏は「公的資金は使っていない」と開き直った。 ドゥテルテ氏の弁護団は既に、人道的見地から保釈をICCに申請しているが、結論は出ていない。

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