奈良市議選(7月13日告示、20日投開票)への立候補を表明している元迷惑系ユーチューバー、へずまりゅう氏(34)に対し、日本維新の会の現職市議が、へずま氏本人の画像を無断使用した動画を作成し、苛烈な表現で批判を強めていると注目されている。SNS上には「肖像権の侵害ではないか」「品位を欠く動画だ」などの指摘があふれるが、市議本人は「問題ない」として動画の正当性を強調し、取り下げる予定もないという。 動画を公開しているのは維新の現職市議の山岡稔季氏(32)。6月23日、自身のインスタグラムで、へずま氏本人の動画や写真を使用した動画を公開した。 へずま氏はこれまで、奈良公園のシカが外国人観光客らに蹴られる様子を撮影しSNSに投稿するなど「奈良公園の鹿を守る活動」を展開してきた。山岡氏は、動画で「行政がやっていることを手柄にして観光客を晒しあげてバズ狙い」「で、次は議席ですか? 本気で奈良を想うなら鹿を利用しないでください!」といった文言で、へずま氏が予定する市議選への出馬を批判している。 山岡氏は24日にも別の動画を公開。前日と同様、へずま氏の写真を素材として用い、「奈良市が悪い意味で盛り上がっている原因は害悪系ユーチューバーへずまりゅう」などと名指しで批判した。 さらに「『鹿さんを守る活動』と言いながら異常なまでの中国人叩き」「お前の方が迷惑だからな?」「へず『馬』が「鹿」でバズ狙い? まさにバーーーーー」(動画中の原文ママ)と「バカ」を暗喩する表現で批判。「中国人よりお前が出ていけ!」などとヒートアップしている。 これに対しへずま氏は、自身のX(旧ツイッター)に「皆さん助けて下さい。 現職の奈良市議会議員に嫌がらせ動画が出ました」と投稿し、山岡氏の動画を引用して「こちらの動画は使用許可をしていません」と批判している。 山岡氏は26日、産経新聞の電話取材に対して「(へずま氏は)出馬表明をしている立場の人物なので(肖像の無許可使用は)問題ない」と語り、動画を「取り下げるつもりはない」と述べた。 へずま氏は過去、故意に迷惑行為をする動画を公開して炎上させることで再生回数を増やす「迷惑系ユーチューバー」として活動。撮影中の迷惑行為が原因で逮捕・起訴されたこともあるが、自身のSNSに「今は更生して日本を明るくする活動をしています」とつづっている。