「香港国家安全維持法」施行5年 「密告」を奨励、当局の監視の目強まる

香港で反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法が施行されてから30日で5年となります。当局は市民に「密告」を奨励するなど監視の目が一層強まっています。 香港では大規模な反政府デモをきっかけに5年前、中国政府主導で「香港国家安全維持法」が施行されました。これを受けて民主活動家やメディア関係者らが次々と逮捕され、その数は330人以上にのぼっています。 また、警察は市民からいわゆる“密告”を受けるためのホットラインを開設し、今年3月までにおよそ90万件の通報があったといいます。 こうした中、香港で言論の自由を求めて活動する女性に話を聞きました。個人書店を営むこの女性は、市民らに自由に議論できる機会を残そうと討論イベントなどを行っています。 「界限書店」店主 「一般の人々の発言の権利は守りたい」「政府に主導されない、制限されない空間を市民も必要としている」 しかし、当局からの圧力は強まっていると言います。 「界限書店」店主 「よく政府の人が誰かからの通報があったという理由で検査に来る」 女性は法律に触れないラインを見極めながら、今後も活動を続けていくと話しました。 締め付けが強まる香港で、市民らの静かな抵抗が続きます。

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