警察官かたる詐欺 「体の傷を確認」と裸になるよう要求 被害が急増

警察官をかたった特殊詐欺の被害が相次ぐ中、被害女性に「身体検査をしなければならない」と告げて、裸になることを強要する手口が増加している。1~6月には未遂を含め48件確認されており、警察庁は注意を呼びかけている。 警察庁によると、2024年後半ごろから、警察官を名乗る人物が電話と交流サイト(SNS)のビデオ通話で「逮捕状が出ている」「資産の確認が必要」とうそを言い、現金をだまし取る手口が増加している。 今年に入り、金銭の支払いを求めることに加えて、女性に裸になるよう要求するケースが相次ぐ。1~3月は月に1~3件だったが、4、5月はともに10件となり、6月は22件と急増した。 被害に遭ったのは10~40代で、約4割は現金をだまし取られたうえ、裸にさせられた。 被害女性の一人は、電話で「口座が犯罪に利用されている」「調査のためにお金を振り込む必要がある」と言われ、指定された口座に現金を振り込んだ。その後、ビデオ通話で「体の傷を確認する」と言われて裸にさせられたうえ、「録音、録画をしている」「全国にばらまく」と脅された。 別の女性は、電話で「クレジットカードが不正利用されている」と言われ、さらに「行動を把握するためにビデオ通話をつなげたままにして」「入浴中もトイレの時もつなげたままにしないと逮捕する」と迫られた。 他には「タトゥーが入っているか確認する」と裸になるよう要求されたケースもあった。 警察官をかたる詐欺の被害は、1~5月に全国で3816件(暫定値)あり、特殊詐欺全体の約35%を占める。被害額は約316億円に上る。 警察庁は「警察からSNSで連絡することや、逮捕を免れることを理由に金銭の振り込みを指示することは絶対にない」としている。【山崎征克】

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