未成年の少女への性的虐待の罪で起訴され、執行猶予付きで禁錮2年の有罪判決が言い渡されたレイズのワンダー・フランコ内野手について、米メディアはメジャー復帰の可能性は絶望的と伝えた。これによって11年の大型契約の残りの1億5400万ドル(約221億円)を失うこととなった。 フランコはドミニカ共和国で少女と不適切な関係を持った疑惑がSNSで拡散され、2023年8月に制限リスト入り。2024年1月には検察官との面会を欠席したとして逮捕された。 米全国紙「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者は6月29日(日本時間30日)に「MLBで彼がプレーすることはおそらくもうないだろう。この有罪判決は、移民法における「道徳的に反する犯罪 (Crime Involving Moral Turpitude)」に該当し、特に現在の移民政策の下では、アメリカへの再入国は極めて困難となるだろう」などと伝えた。 さらに「その結果、彼のMLBキャリアは突然終わりを迎え、彼は、11年1億8200万ドル契約(約261億円)のうち、残りの1億5400万ドル(約221億円)を失うことになる」と報じた。フランコが米国への入国を許可される唯一の希望は、控訴を申し立て、有罪判決を覆すことで、7月27日に正式な判決が言い渡された後、5日間の控訴期間があるとしている。 レイズの地元紙「タンパベイ・タイムズ」でも「ワンダー・フランコの有罪判決は、アメリカへの再入国をほぼ不可能にすると弁護士が述べた」との見出しの記事を掲載。移民法の専門家である弁護士ダニエル・ヘルナンデスさんの見解として「児童に関する有罪判決は移民法上、重大な問題であり、2021年11月にレイズと11年1億8200万ドル(約261億円)の契約を結んだフランコには、新たなビザ(査証)でアメリカに戻る現実的な可能性はない」と説明している。 現在24歳のフランコはメジャーデビュー前から高い評価を受け、有望株ランキングでは主要媒体で軒並みメジャートップ。大谷翔平投手と比較する声も上がっていた。2021年に初昇格し、同年11月に11年総額1億8200万ドル(約261億円)の超大型契約を結んだ。2023年のWBCにはドミニカ共和国代表として出場。レギュラーシーズンでも112試合に出場して打率.281、17本塁打、58打点、30盗塁、OPS.819と好成績を残し、オールスターに初選出されていた。だが、同年8月から制限リスト入りし、その後は出場していなかった。